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第 0311 話

星咲は、今や二割を譲らざるを得ない状況にあり、当然ながら大損をしている。しかも、批判を背負っての交渉だ。

州平が追い打ちをかけるように一言を投げかけたのは、まさに「心臓をえぐり取るような言葉」だった。

しかし、星咲は何も言えず、ただ笑みを崩さずに応えるしかなかった。

「社長さん、私たちは長期的な視点で考えましょう。二割を譲ることで利益は少し減りますが、それ以上に社長さんという大口の顧客を確保できるんです。これが私の限界です。それ以上は譲れません」

「いいだろう」

州平は驚くほどあっさりと同意した。だが、その時、星咲の心には、すでに復讐の火種が灯っていた。

「社長さん、それでは明日の夜、紅葉館で
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