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第 0250 話

「あなたのところを除けば、海咲には行く場所がない」

州平の声には決然とした響きがあり、冷ややかな一面も感じられた。

海咲は急に起き上がった。

すでに朝が来ていることに気づいた。

亜の嘲笑が再び響いた。「州平、あなたがそんなことを言うなんて、ほんとうにおかしいと思わないの?」

これは夢ではない。州平が来たのだ。

彼女はベッドから降り、部屋を出た。

リビングで州平と亜が対面して立っているのが見えた。州平は今日、グレーのシャツを着ていた。亜は身長が一メートル六十、州平の前に立つと、彼に半頭分ほど低かった。

「州平、もし君が私が考えていることを実現するために来たのなら、私は君についていくわ」海咲は唇を
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