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第 0240 話

海咲はふと横目で見やった。

ノートには「白いTシャツ」と書かれている。

間違っていない。

かつての彼、最もシンプルな装いだった。

若々しく、意気揚々としていたあの頃だ。

どうしてこんなことをノートに記してしまったのか。

もう古いノートだから、消し忘れたのだろう。

「温井さん?」

双葉が海咲のぼんやりした視線に気づき、声をかけた。

海咲は我に返り、口元に微笑みを浮かべた。「消しておいて、間違いだから」

「はい」

双葉は答えた。

そうだ、あの葉野社長のような大物社長が、白いTシャツを着るなんてあり得ない。

双葉は新卒の社員だが、学習能力が非常に高い。

海咲は、彼女が州平の補佐にふさわしい人材だと感
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