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第 0216 話

二人は心の中で互いの意図を理解し合い、それ以上何も言わなかった。

海咲は部屋に戻り、荷物を片付け始めた。温井現の葬儀も終わり、そろそろ帰る時期が来たのだ。

「咲ちゃん」

突然、温井英理が入ってきた。

海咲は手を止め、振り返った。「お母さん」

英理は彼女の隣に座り、何か話したそうにしている。海咲もその気配に気づき、彼女の隣に腰を下ろした。「お母さん、どうしたの?」

「今回は州平も来てくれたじゃない」と英理が口を開いた。

「うん」

英理は振り返りながら海咲を見つめた。「前に君たち、もうすぐ離婚すると言ってたわよね。それなのに、彼が今回も手助けしてくれて、まるで離婚するようには見えないわ。もし本当に
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