第6話

多くの人々の前で、私は驚愕の表情を浮かべた。

「お母さん、本当のこと言ってるの？森田医師と隼人はそんな関係だったの？隼人が不倫してたの？」

お母さんは自分が口を滑らせてしまったことに気づき、悔しそうに言った。

「隼人はもういないんだから、それを蒸し返しても仕方ないだろう？」

こんな大事を軽く片付けるつもりか？

そんなわけない！

私は初めて気づいたように、悲しげに訴えた。

「ということは、隼人はがんなんかじゃなかったの？森田医師と二人で逃げるために、偽死を計画したってこと？」

「だから川に飛び込んだり、末期がんを装ったりしたわけ？不倫ならちゃんと認めたほうが良かったのに、私が離婚を認めるのに反対するわけじゃないのに、どうしてこんなことになったのかしら」

カメラが私に向けられているとき、私はようやく気づいたように言った。

「だから彼は遺言書を書いて私を唯一の相続人にしたのね。そして私が彼の借金を返すようにしたのね……」

私が冷静に分析し、そこで言葉を切った。

周囲の人々は愚かではない。すぐにこの一家の真実を理解した。

火葬所の外では、人々が彼らを罵詈雑言で責めた。

「この一家は最悪だ！息子が不倫して借金を抱え、偽死で逃げるなんて！どれだけ悪質なんだ！」

「愛人が医者だったなんて！信じられない！こんな偽死の芝居、ドラマでも見ないぞ！」

「、これから誰が彼女になんか診てもらうんだろうか。こんな人がどれだけの悪事を働いてきたかわからない！」

「嫁を訴えるなんて厚かましい！自業自得だ、いい加減にしろ！」

「これは組織的な犯罪だ！この人たち、本気でやってしまったね。嫁に罪をなすりつけようなんて、最低だ！」

私が何も言わなくても、野次馬たちの一言一言が彼らを溺れる。

葬儀社は事態が大きくなるのを恐れ、警察に通報した。

隼人がまだ灰になっていない間に、外での騒ぎはすでにネット上で話題になった。

私たちは全員警察署に呼ばれて、事情聴取に協力した。

私は事実を述べた。隼人が末期がんと診断されて以来、すべての検査は美穂が担当していた。

なぜ妻の私が一度も同行しなかったのか、それはチャットの記録で証明できる。

【君は付き添わなくていい、このことは一人で対処したいんだ。医者の話を聞いて余計に落ち込むかもしれないから。】

【検査報告書は隠してお