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第5話

残念ながら、彼らは少し遅れてしまった。

隼人はすでに炎に包まれ、彼は炎の中で両手を高く挙げていた。

お母さんがこの光景を見ると、悲鳴を上げてそのまま気を失ってしまった。

お父さんと美穂は彼女を支えるのに手一杯で、場は混乱した。

美穂はお母さんの人中をつまみ、彼女の胸を撫でて落ち着かせるようにした。

お母さんが目を開けると、私に向かって涙を流しながら罵った。

「殺人犯!お前は私の息子を殺した殺人犯だ!!」

この言葉が飛び出すと、周囲で手続きをしている人たちが集まってきた。

誰かがスマホを取り出してビデオを撮り始め、ライブ配信していた。

私は無実を訴えるように言った。

「お母さん、あなたの気持ちはわかるけど、そんなことを言うのはよくないよ!」

「隼人は肝がんの末期で急に悪化して亡くなったんだ。森田医師が彼の担当医じゃない?」

「それに、死亡証明書も森田医師が書いてくれたんだよ。彼女は省立病院の森田美穂先生なんだから、嘘をつくわけがないでしょう?」

カメラが回っていることを知って、私はわざと美穂のフルネームと勤務先を言った。

全員の視線が美穂に集中した。

彼女が弁解できない様子を見て、私はなんだかスッキリした。

お前たち二人は前世でたくらんで私を陥れた。今こそ自業自得だ!

お母さんは美穂の腕を強く掴み、まるで助けを求めるように言った。

「美穂、みんなに教えて。隼人はがんなんかじゃない。死亡証明書も偽物だって!」

「私たちは一緒になって由香里を訴えるわ。彼女こそが隼人を殺した犯人だ!」

美穂の顔色は青白くなり、言葉を発することはなかった。

私は冷たく見守りながら、心の中で喜んだ。

お父さんも怒りで足を踏み鳴らし、私の鼻先を指して罵った。

「お前は酷すぎる女だ!お前が息子を焼いたんだぞ!」

私はすぐに美穂に矛先を向けた。

「お父さん、もし本当なら警察に通報すべきだ。全ての手続きは森田医師が担当したんだから」

「隼人が息を引き取るとき、お前たちは彼の側にいなかったんだ?もし彼がまだ生きていたら、なぜ葬儀社に連絡したんだ?」

私の一連の反論で、彼らは口を閉ざした。

このままでは、自分たちが自分たちを傷つけることになるだろう。

周囲の人々も頷きながら同意した。

皆、「白髪が黒髪を送る」という悲しみから、お母さんが精神的に異
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