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第50話

写真は裁判所の公式サイトで見つけたもので、しかもそれは三年前のものだった。

映像の中で栩は法袍を身にまとい、法廷で堂々と熱弁を振るっていた。

隼人が開発したこのソフトは、顔が比較的はっきり映っていれば、写真をスキャンするだけで誰でも検索できる。世界中の写真データベースから関連情報をわずか三五分で見つけ出すことができ、検索エンジンよりもはるかに正確だ。

しかし高城栩を検索するのに、なんと十分もかかってしまった。彼はあまり公の場に姿を現さない人物であり、プライベートでもほとんど写真を撮る習慣がない。ましてや、SNSのアカウントも持っていない。

ただの検察官に過ぎないのに、なぜこんなにも神秘的なのか?

「高城樹......高城栩......」

隼人はしばらく思案し、ふと閃いたように瞳を見開いた。「まさか、まさか彼が......!」

そうか、そういうことか。

男は目を細め、顔色は嵐の前のように険しくなり、喉が詰まったように呼吸が苦しくなった。

小春、お前はふらふらと寄ってくる者を拒まず、俺から離れてすぐに樹に乗り換えたかと思えば、また高城家の別の若様と絡んでいる!

自分を何様だと思っているんだ?女版の天皇か?!

その時、後方からスポーツカーの轟音が聞こえてきた。

隼人は思考を中断し、窓の外を見た。

黒いスポーツカーが彼の前を疾走していき、夜の旋風のようだった。

小春の車だ!

なぜ突然ここに現れたのか?絶対にただ事ではない!

隼人の胸は焦燥感に包まれ、拳を車のガラスに打ちつけた。

「幸!追え!」

......

ホテルの正面玄関はメディアで溢れ返り、捜査官たちは苦労して、泥だらけの澤驭を車に乗せた。

記者会見は、まるで茶番劇のように散々な結果に終わった。

栩は車には乗らず、後ろの入口へと向かい、妹が現れるのをじっと待っていた。

数分後、夜の闇を切り裂く音が聞こえ、車は栩の前で止まった。

翔太が窓を下ろし、礼儀正しく挨拶をした。「栩様、お元気ですか?」

「元気だよ、林田!」

栩は身を屈め、助手席で気だるげに座る桜子を見て、愛おしげに微笑んで妹の柔らかい頬をつまんだ。

「このところ林田がちゃんと面倒を見てくれたみたいだな。顔にちょっと肉がついたじゃないか」

「ついてないもん!」桜子はぷくっと頬を膨らませた。

「いや、ついてる。
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