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第8話

息子の棺は郊外に停まっていて、結局朝陽が見つけた。

この間、彼は食事も喉を通らず、なんとかして私に息子の行方を尋ねてきたけど、私は歯を食いしばって一言も言わなかった。

でも彼は悠翔の葬式に来たんだ。

棺の中、子供の体は真っ白で幼い。

切り落とした手のひらは、特別に葬儀屋さんに縫ってもらったんだけど。

それでも、かなり目立つよね。

「見終わったら、帰っていいよ」私は朝陽をあざ笑った。「だって、これ息子じゃないんだし」

そしたら、朝陽は突然ぐったりして、座り込んじゃった。

彼の手は棺の縁をぎゅっと掴んでいて、指先は力を入れすぎて白くなってた。

彼はボーっとして、「手のひら半分切っただけなのに、なんで死んじゃったんだ?」ってつぶやいた。

そう言った後、涙が一筋、彼の目からこぼれ落ちた。

朝陽と結婚して何年も経つけど、彼が泣くのを見たのは初めて。

今の彼は肩を震わせて、声にならないほど泣いてる。

私は冷静に棺を閉じて、朝陽の手がまだその上にあるのを気にも留めなかった。

彼は手を引っ込めず、棺が彼の手の甲にガンとぶつかるのを受け入れて、冷たい息を飲んだ。顔色が一瞬で青ざめた。

「彩心……」朝陽が私の名前を呼び上げ、私を見上げて、目には哀れみが溢れてる。彼は慎重に「息子が死んだとき……」と聞いてきた。

私は彼が何を聞きたいか分かってた。

だけど、思わず嘲笑が漏れた。「知らないよ、私が着いたときには、悠翔はもう息をしてなかった」

朝陽の瞳が激しく震えて、肩が崩れ落ちた。

「でも、悠翔はあなたが父親だって思ってなかっただろうね」

私は我慢できずに言った。「病室で燃やした絵、覚えてる?それは息子が描いた家族の絵で、『世界で一番大好きなパパ』って書いてあったんだ。それ、あなたへの誕生日プレゼントだったの、ずっと準備してたんだよ」

朝陽の目が一瞬で真っ赤になって、口を開こうとしたけど、喉からは破片のようなうめき声しか出なかった。

瀕死の獣のように。

彼の指は掌に食い込んで、血が出るほどだった。

「彼の手のひら半分切り落として、きっと腹いせだったんだろう」私は呆然として苦笑いしながら言った。「朝陽、なんで私に聞かなかったの?

一体、誰が悠翔はあなたの息子じゃないって言ったんだ?しかもあなたはそれを信じちゃったなんて、笑っちゃうね!」

朝陽
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