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第385話

松本隼人は再び毒虫組織に連絡を取った。松本里美が事件に巻き込まれた後で、相手が連絡を拒否すると思っていたが、意外にも予定通りに指定された場所に来るようにと言われた。

毒虫組織の人間が何を考えているのか、松本隼人には理解できなかった。片方が話し、片方がその約束に応じるという形だった。

対策を話し合った後、佐藤峻介は再編成のために戻る必要があった。松本家を離れる際、彼は松本悠真のぼんやりとした様子に気づき、彼の心ここにあらずの状態が目に留まった。

松本家を出た後、佐藤峻介は指示を出した。「松本老爺が最近何をしていたのか、誰に会っていたのか調べてくれ」

森本進はすぐに察して言った。「佐藤総裁、松本老爺を疑っているんですか?」

「毒虫組織を隠す者がいなければ、今頃彼らの居場所は特定できていたはずだ。霧ヶ峰市でそれができる者は限られている。今日の松本老爺の様子は少し変だった」

森本進も眉をひそめて言った。「松本老爺の立場でそんな輩と関わることはないでしょう」

「なぜ健康食品を売る詐欺師が老人をターゲットにするのか知っているか?老人が愚かだからか?そうではない。確かに年の功というものがあるが、詐欺師が成功する理由は老人に致命的な弱点があるからだ」

「どんな弱点ですか?」

「死を恐れることだ。力のある者ほど死を恐れる。毒虫組織が各国の高官と接触するのも薬から始まった。彼らの提供する薬は市場に出回っているものよりもはるかに優れている」

「だから、松本老爺も同じような理由だと思うんですね」

「松本老爺は数年前から足腰が悪くなっていたが、今の状態は以前よりも良くなっている。もしかしたら、彼は毒虫組織と何らかの取引をしたのかもしれない。だからこそ、松本里美の事故が毒虫組織と関係していると聞いて信じられなかったのだろう」

佐藤峻介は苦笑し、「彼は毒虫組織を協力者と見なしていて、毒虫組織が彼なしでは生きていけないと思っているのかもしれない。しかし、これまでの間に毒虫組織がどれほど成長したか、彼は知らないのだろう」

森本進はしばらく黙っていたが、最後にため息をついて言った。「松本老爺も年を取って、愚かになったものです」

「もちろん、これは僕の推測に過ぎない。調べてみてくれ」

「承知しました」

佐藤峻介の推測は基本的に現実に近いことが多かった。

「佐藤総裁、あな
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