第343話 検査結果

佳世子は「あっ？」と声を出し、晋太郎の青ざめた顔を慌てて見た。彼の顔には「不機嫌」の文字が大きく書いてあるようだった。

佳世子は紀美子から手を離し、小声で尋ねた。

「またケンカしたの？」

紀美子は先ほどのキスを思い出して顔を赤らめ、

「違うわ、キャンプカーはある？早く彼を病院に連れて行って」

「晋太郎、どうしたんだ？」

晴が晋太郎を支えようとしたとき、そう聞いてきた。

紀美子は答えた。

「彼の肋骨が折れていて、手術した腕の傷もまた裂けてしまっているわ。それに熱もあるから、すぐに病院に行かないと」

晴は晋太郎を見つめ、目を見張った。

「マジかよ、まだ意識があるなんて！」

晋太郎は晴を冷たく見つめ、歯を食いしばりながら言った。

「うるさい！」

晴は困惑した。

「え、ええ？」

また何か間違えたんだろうか？

佳世子の誕生日は晋太郎が病院に運ばれるという形で終わった。子どもたちは病院にいるのが不便なので、佳世子と晴は子どもたちと一緒に藤河別荘に戻った。一方、紀美子は病室で晋太郎の世話をすることにした。

医師は紀美子に伝えた。晋太郎の体調は肋骨が折れているだけでなく、足の筋肉にも損傷があり、全身に切り傷がたくさんあるため、安静が必要だと。

晋太郎が点滴を受けながら静かに寝ている姿を見て、紀美子は複雑な気持ちになった。もし今日晋太郎がいなければ、今病院のベッドで生死を分けているのは自分だったかもしれない。この命を救ってくれた恩義をどのように返すべきかと考えると…

そう考えながら、紀美子はソファーにもたれかかり、深い眠りに落ちていった。

夜、9時。

森川爺が次郎の病室から出てきたとき、担当医が近づいてきた。担当医は報告書を差し出し、「森川さん、次郎さんの報告書をご覧ください」と言ったが、表情は困り果てていた。

森川爺は医者の様子が普通ではないことに気づき、近くにいたボディガードを解散させ、報告書を受け取った。一目見て、森川爺の目が大きく見開かれた。

「検査結果に間違いはないのか！？」

担当医は頭を下げ、

「はい、間違いありません。何度も検査しましたが、結果は変わりませんでしたので、ご報告させていただきました」

森川爺は報告書を強く握りしめた。

「治療法はあるのか！？」

「現在はありません。しかし次郎さんは中後期ですので、本人が