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第203話 強行侵入

 話を聞いた露間朔也は思わず激昂した。「それは人間のやることか?」

入江紀美子も頭にきて額に手を当て、「だから、静かにして頂戴……」と言った。

ちょうどその時、ボディーガードの一人が入ってきた。

「入江さん、玄関で無理やりに入ってこようとした人を押さえました」

紀美子は驚いて、まさか大河光輝が来たのか?

「ビッチ!出てこい!」

そう思った傍から、ドアの向こうから怒鳴りが聞こえてきた。

朔也ははたと立ち上がり、「あいつを黙らせてくる!」と怒りを抑えきれずに言った。

紀美子は慌てて朔也の襟を掴み、「無茶なことをしないで!!」と言って止めようとした。

怒り狂った朔也は喋った。「G!あの畜生が玄関まで押しかけてきたんだぞ!君のことをビッチ呼ばわりするなんて、俺は許さん!」

紀美子は立ち上がり、「私が解決するから、あなたは黙っといて」

「ダメだ!」朔也は断った。「一緒にいく!」

固執した朔也を見て、紀美子は妥協せざるを得なかった。「じゃあ、無茶だけはしないと約束して」

「分かったよ!」朔也はうんざりして返事した。

紀美子は漸く安心して朔也と一緒に玄関に向った。

玄関の外にて。

光輝はボディーガード達に押さえられて床に伏せていた。

しかし彼はそれでも続けて罵っていた。

紀美子が出てきたのを見て、光輝は再び首を上に捩じって怒鳴り続けた。「ビッチ!うちの母が怪我したことをなぜ黙ってた!

お前のせいで母が怪我したんだろう、慰謝料を払え!」

紀美子は外で揉め事になったら近所に迷惑なので、ボディーガード達に光輝を別荘の中に入れるように指示した。

ドアをしめてから、紀美子は冷たい視線で光輝を見て、「このことは誰に教えてもらったの?」と聞いた。

「お前に関係ねえよ!」光輝はまた首を捩じって叫んだ。「俺が分かっているのはお前のせいで母が病院まで運ばれたことだ!」

紀美子は横目で光輝を睨み、ソファに座って聞いた。「あなたは金だけが欲しいんでしょう?」

「その通りだが、なにか?!」光輝は恥知らずに聞き返した。

紀美子は彼を見つめながら、「金はあげない。なぜなら、初江さんの治療にも金がかかるから。

無茶なことをして私から金を脅かそうとするなら、裁判を起こすわよ。

でも一つだけ注意してあげるわ、あなたは自ら初江さんと親子関係を解除してもう10年以上
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