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第202話 お兄さんは聞いてあげるから

 松沢初江の息子の大河光輝は、「どちら様ですか?」と聞き返した。

「大河さん、私は誰なのかはいいですから」狛村静恵は軽くしくしくと泣きながら、「初江おばさんが、今東恒病院の入院病棟の最上階で治療をうけてるの」

「なに?!」光輝は思わず声を上げ、信じられないような口調で、「間違いなくうちの母なのか?!」と確認した。

「信じてくれないなら東恒病院に来て自分で確認してみてください」

「うそをついていたら、警察に通報するからな!」光輝は警告した。

静恵「大河さん、初江さんはいい人です。彼女に助けてもらっていたし、私は今好意であなたに連絡しているのですから、その言い方はないでしょう。

怒るにしても、知っているのにわざと教えてくれなかった奴に怒るべき、そうでしょう?」

静恵は初江の状況をすべて光輝に教えた。

静恵は光輝の怒りを掻きたててから電話を切った。

彼女は無表情に演技で流した涙を拭いた。

そして、彼女はこれからの展開を座って待っていた。

入院病棟にて。

紀美子の携帯が鳴り出した。

知らない人からの着信を見て、彼女は病室を出て電話に出た。

「もしもし……」

「入江紀美子さんですか?!」

「どちら様ですか?」紀美子は戸惑った。

「私は大河光輝だ!松沢初江の息子!」光輝は怒鳴った。

何故光輝が自分に電話をしたのか、紀美子は戸惑った。

前に初江から、息子の光輝を海外に送りだしてから、彼からの連絡が途絶えたと聞いていた。

たとえ初江が彼に連絡をいれても、彼はいつもうんざりして電話を切っていた。

その後、光輝は初江と親子関係を解除する始末だった。

なので、二人はもう十年以上連絡をとっていなかった。

なぜ今急に尋ねてきたのだろう?

紀美子は、「そうですが、何か御用がありますか?」と返事した。

「うちの母はどうした?!」光輝は咆哮して問い詰めた。

紀美子は一瞬で分かった、どうやら誰か小賢しいまねをして彼に初江のことを教えたようだ。

「大河さん、今更電話をしてきたのはちょっとおかしな話じゃない?」紀美子は聞き返した。

光輝「俺がお前に聞いてんだ、余計なことを言ってんじゃねえよ!」

「あなた、どういう立場で聞いてるの?」紀美子は冷たい声で聞いた。「前はあなたが初江さんを見捨てたのに、今更割り込んでくる資格があるの?」

「お前はどうな
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