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第209話 彼はまた人殺しをするつもり?!

 渡辺翔太は可哀想に体が震えるまで泣いた入江ゆみを抱き上げた。

そして優しそうに彼女の背中を撫でながら、入江紀美子に聞いた。「紀美子、そうだったのか?」

紀美子は目を垂らして、「うん……」と返事した。

翔太「なぜだ?」

紀美子は時間をかけて必死に考えていたが、どうしても分からなかった。

「分からないわ」紀美子は落ち込んで答えた。

「紀美子、この件は急いではならない」翔太は分析した。「晋太郎は心の中で君を思っていれば、いつまでもそうしてはいられないはずだ」

紀美子「お兄ちゃん、私は彼達に裁判を起こしたい」

「君は子供の親権を取れないよ」翔太は単刀直入に言った。「念江は最初から晋太郎の下にいたから。

しかも晋太郎の帝都での力を考えると、君に勝ち目はない。」

紀美子は拳を握り緊め、本当に他の方法はないのか?

念江が落ち込んで黙っている姿を思い浮かべたら、紀美子は心が砕けそうになった。

ドドド―

入江佑樹が急に降りてきて、紀美子の手を掴み、「お母さん、一緒に上がってきて」と言った。

紀美子は呆然と息子について2階に上がり、部屋に入ってから、パソコンの画面に映っている念江の小さな顔が見えた。

紀美子は慌ててパソコンに近づき、「念江くん!」と呼んだ。

母を見て、念江の暗い眼差しが灯った。「お母さん」

紀美子は泣きそうになり、「念江くん、お父さんに怒られたりはしなかった?」と聞いた。

「いいえ」念江は首を振り、「お母さん、目が赤いよ」と言った。

紀美子「大丈夫、埃が目に入っただけ」

「お母さんは君に会いたくて、惜しんでいるんだよ」佑樹は構わずに母の嘘の蓋を取った。

念江は一瞬止まり、そして口元が微かに笑みを見せ、「うん、僕もお母さんに会いたい」と言った。

紀美子は一瞬で目に涙で満ちて、思わず顔を横に向けたら、涙がこぼれ落ちてきた。

それを見た念江は母を慰めた。「お母さん、悲しまないで。まだこうして連絡を取ることができるから。暫く経ってお父さんの気持ちが晴れたら、方法を考えてお母さんに会いに行く」

佑樹もパソコンの前に来て、「念江、お母さんには僕がいるから、安心して!」と言った。

念江「分かった、それじゃあ先に落ちるね。お母さん、佑樹くん、おやすみ」

そう言って、念江はビデオチャットを切った。

佑樹は小さな手で紀美子を抱きしめて
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