共有

第59話

先ほどは礼をしていたのに、どうして一瞬で外に追い出されたのだろうか?

唐沢家の人々はスマートフォンで撮影しながらこの光景を見て呆然とし、しばらく呆けていた。

「明王の招待状を偽造するとは、命知らずもいいところだ。今回は初犯ということで見逃してやるが、次があればもう命はないと思え」副官は冷たい声で言った。

唐沢健介は痛みも顧みず、必死に立ち上がり、柳三郎を見て大声で叫んだ。「三郎さん、お前が話してくれ、招待状はお前が手配したものだ、西境の軍が唐沢家に直接届けてきたんだ!」

柳三郎は将軍が唐沢健介の招待状が偽造だと言っているのを聞き、唐沢健介との関係を断ちたくなり、すぐに口を開いた。「唐沢さん、無責任なことを言うな。偽の招待状が僕とどう関係があるというのですか?」

唐沢健介は焦り、目を周囲に泳がせながら、柳太一を見つけ、苦しい様子で近づき、その手を掴んで頼んだ。「太一、助けてくれ、助けてくれ!」

柳太一も焦っていた。

どうしてこうなったのか全くわからなかった彼は、急いで言った。

「祖父、もしかして何か大物に対して失礼をしたのではないか? 招待状が偽造されているわけがない。きっと大物に怒らせてしまったからだ」

「僕、何もしてないよ」唐沢健介は泣きそうになっていた。

「わかった、きっと唐沢家の外で爆竹を鳴らして、明王が不満を持ったんだ。祖父、何度も言ったけど、もっと控えめにしろって言ったじゃないか」柳太一は頭を叩きながら言った。

唐沢健介もそれに納得した。

今、彼はひどく後悔していた。

こんな大々的にやらなければよかったと痛感していた。

そして、以前から唐沢健介に近づいていた大物たちは一様に冷ややかな視線を向けていた。

唐沢家の車列の最後尾。

江本辰也は運転席に座っていた。

助手席の唐沢桜子は江本辰也を一瞥し、疑問の表情を浮かべながら言った。「辰也、これが言ってた『祖父の失態を見る』ってこと? とっくに知ってたでしょ、どういうことなの?」

江本辰也はにっこりと笑いながら答えた。「昨日の夜、僕が上司に頼んで、西境軍に唐沢家に招待状を届けさせたって言った。でも、功績を奪われてしまったんだ。上司に電話して、招待状が無効だと西境軍に伝えてもらった」

「はは、婿、よくやった、見事だわ!」後部座席の唐沢梅が笑いながら言っ
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status