第6話：新しいプロジェクト

社長は眉をひそめながら言った。「君は頭悪いし、礼儀もないし、同僚の物を勝手に見たり、会議室に無断で入ったりするけれど、君のおかげで適任者を見つけられたね」

　「清瀬羽菜、新しいプロジェクトのマネージャーを任せるから、頑張って」

　会議は終わった。

　坂口愛は解雇された。

　理由は、プロジェクトの参加者の書類をこっそり見て、ビジネス機密を盗んだ疑いがかかったからだ。

　レッテル貼りに関しては、やはり社長が得意だ。

　そして、私も短期的な人生目標を達成した。

　その夜、小区では隔離解除の知らせがあり、家に帰れることになった。

　すべてが非常に順調だった。

　しかし、社長はまた不満そうな様子だった。

　私は社長の家に戻り、荷物をまとめて外に出る準備をしていた。

　社長が突然私を引き止めた。

　「そんなに急いで帰るのか？」と、社長は耳まで赤くなり、体全体が燃え上がりそうなほどだったが、それでもぎこちない様子で言った。「この高価の家を無料で住むのを拒むつもりなのか？お前はバカなのか？」

　私は「え？」と答えた。「でも、ここは私の家じゃないし、いつかは出なければならないんです」

　社長は目を泳がせながら言った。「…まあ、そうとも言えるかもしれない」

　私は「？」と首をかしげた。

　社長は深く息を吸い込みながら言った。「この前、車の中で、言わなかったことがある」

　「何ですか？」

　「家に帰らないでほしい」と彼はじっと私を見つめながら言った。「この家で奥さんが必要なんだ、考えてみてほしい」

　私は少し考えてから言った。「それなら掃除はしなくてもいいですか？」

　「もちろん」

　「お茶や水の提供は？」

　「僕がやる」

　「会社の書類の印刷は？」

　「…僕がやる」

　「役に立たないメールの返信は？」

　「…僕がやる」

　「家族が給与の支払いに影響することはないですよね？」

　「…影響しない！」

　「それなら毎日私を会社に連れて行くのですが、交通費はどうなりますか？」

　「清瀬羽菜」と、社長の声がだんだんと牙をむいたようになった。

　「はい？」

　「お前は本当に空気読めないやつだな」

　「わかった、それなら私が帰りますね？」

　「…交通費は必ず支給する、倍にして、私の個人カードから支払う！」

*

　一ヶ月後、私は本