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第4話

藤井司は言いにくそうに何度もためらい、ついに携帯を取り出した。

「ほら、鈴木雅からのメッセージだ。俺が彼女を一人でスカイダイビングさせたから、わざと機嫌を悪くして、挙げ句の果てに別れ話まで持ち出してきたんだよ」

上司も若者たちの私生活に干渉するのは気が引けるようだった。

「たとえ関係者でも、今後はAエリアに飛ぶのはやめろ。事故が起きたら、景区全体が迷惑を被ることになる」

藤井司は笑顔を作りながら謝った。

上司はまだ不安そうにしていた。「君は彼女を喜ばせたいんだろうが、規則を破って権力を乱用するのはダメだ」

昨日、松田篠は甘えた声で藤井司に、特別なルートを飛んでほしいとせがんだ。

「私たちの友情は特別なんだから、普通の道じゃなくて特別な道を選ばないとね」と言っていた。

藤井司はさらに30分ほど上司に叱られ、3日間の停職と1か月の給料カットを命じられた。

それでも彼は松田篠のわがままを責めることなく、逆に私が救援隊に電話したことを責めていた。

私の魂は彼の背後に立ち、彼が私とのメッセージを開き、不満をぶつける様子を見ていた。

【鈴木雅、お前、救援隊に電話するなんて、大げさすぎるだろう?

スカイダイビングに一緒に行かなかっただけで、別れ話を持ち出して、さらに上司に叱らせるなんてどれだけ心が狭いんだ?

こんなに大騒ぎして満足か?なんで松田篠の半分くらいも気が利かないんだ?】

私が返信しないのを見て、彼は苛立った様子で頭をかきむしった。

「返信しなくてもいいさ。冷戦なんて誰でもできるんだ」

私の素晴らしい婚約者よ、キーボードを叩いてあなたを罵りたい気持ちは山々だけど、もう私は死んでいるんだ。

夜、私の母が藤井司を訪ねた。

「雅ちゃんが電話に出ないんだけど、彼女はそちらにいるの?」

藤井司は私に対する不満を抑え、丁寧に母に対応した。

「彼女も僕には返信していません」

母は何かを察した。「また喧嘩したの?」

彼の沈黙を見て、母は全てを理解したようだった。

「余計な口出しをするつもりはないけど、あなたが事故で怪我をしていた間、雅ちゃんはずっとあなたのことを看病していたんだよ。夜通し看病して、あちこちの病院に連れて行っていた。あなたの元カノは荷物をまとめて海外に行ってしまったけど、雅ちゃんはずっと側にいたんだ。」

「雅ちゃんは本当にあな
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