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第7話

ネット上で議論が盛り上がっていた。

「この奏太一家、汚らわしいことしかしていない。山野記から金を搾り取ろうと、こんな陰険な手口を考えたなんて、吉田店長が無視してよかった」

「吉田記が合意しなかったのなら、村晴が共謀しているとどうして言うのですか?」

「村晴が子供を巻き込んで、その動画をネットに上げて非難されることを平気でやる行為が、とても汚らわしいと思わないんですか?大人の争いなのに、なぜ子供を巻き込むのですか?」

「同意します。それに、村晴の動画が不自然に編集されているようにも見えます」

……

奏太の真実が明らかになった一方、村晴は喜ばなかった。

なぜなら、俺と奏太が共謀していないことが証明されると、村晴のこれまでの行動や説明は全て嘘やデマとなるからだ。

非難を避けるため、村晴は長文の投稿をした。そこでは、翔太郎が動画で拒否したとしても、それが彼が助けていない証明にはならないと主張し、動画は翔太郎が責任を逃れるために意図的に撮影したもので、実際には奏太と一蓮托生だと主張した。

これにより、議論は膠着状態に陥り、ネットユーザーたちは何度も騙されてきたため、自分の間違いを認めたくなく、また簡単に陣営を変える勇気もなかった。

しかし、俺はまだ切り札を持っていた。

前世で、俺が殺人で捕まった後、友人が刑務所に来て俺に一つの動画を見せた。

その動画は友人の店の裏通りで、奏太が下水道から地溝油を採取し、村晴と金と油を交換する様子が映っていた。

友人は、この動画は俺が奏太を助ける前に撮影されたもので、もし悲劇が起こる前に公開されていれば、世論はここまで人を追い込むことはなかったと話していた。

再誕生後、俺はすぐに友人に動画を提供してもらい、この瞬間のために用意していた。

動画をネットに公開すると、まるで巨石が池に落ちたかのように、議論が一気に沸騰した。

各派のネットユーザーたちは、それぞれの主張を放棄し、村晴と奏太を非難する方向に集中した。

「くそっ!また騙された。村晴も奏太も良い人じゃない。地溝油を売買していたとは、まさに犬猿の仲だ!」

「彼らが共謀していたことが明らかになった。吉田店長が原則を守って彼らに騙されなかったのは、本当に素晴らしい。彼らは本当に危険な人々だ」

「私は事態を理解した。奏太と山野記は以前からつながりがあった。奏太は
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