共有

ダメな男に傷つけて、私は親友と一緒に離婚した
ダメな男に傷つけて、私は親友と一緒に離婚した
著者: 小刺剛毅

第1話

亜季は行動派で、すぐに孝志に別れのメッセージを送った。

私はまだベッドの上で、手術後の創部処置を受けた後、まだ危険な状態だった。

隣には亜季がいて、彼女も負傷していた。私たち二人はまさに難儀の姉妹だ。

次の日は婚約パーティーの日だったが、私はICUにいて出席することはできない。

靖彦が私に電話をかけてきて、最初の言葉が叱責だった。

「星野久美、お前はわざとなのか?昨日は佳奈と一緒に点滴を受けたのに、今日は来ないのか?」

「今日のパーティーには何人ものゲストが来たんだぞ!」

私の喉は乾いてかゆかったが、咳払いをしてから口を開いた。

「私は病院にいるの、行けないって言ったでしょ」

「久美、その言い訳はもう聞き飽きた。どこにいるんだ、迎えに行くから」

「私は第一病院にいるから、来て!」

「久美!」

電話の向こうで靖彦が怒りを露わにした。

「お前、後悔するぞ!」

「婚約パーティーはあと一時間、待たないからな!」

亜季は我慢できずに、電話を奪って罵った。

「後悔するもんですか!

お二人とも、人の話を聞いてないわね!病院にいるって言ってるでしょ!

佳奈が胃痛いって二人とも慌ててるけど、彼女はあんた達の親父か何かなにかなのかしら!献身的に看病してるなんて……」

電話は切れたが、亜季は罵り足りずに、イライラしながら動き回っていた!

すると、孝志からの電話がかかってきた。

「亜季、お前どこにいるんだ?今日は親に会いに行くってメッセージ送ったのに、お前はからかってるのか?」

亜季の闘争心が再燃し、孝志に向かって罵った。

「会うもんですか!孝志、昨日別れようって言ったでしょ、適格な元カレは死んだように振舞うべきだよ!お前と会いに行くなら、冥札を持ってお前の墓参りに行くわ!」

孝志は怒りで言葉が続かなかった。

「お前……亜季、お前、後悔するぞ、別れたら別れただ!」

亜季は先んじて彼をブロックし、私の胸をぽんと叩いて言った。

「私のほうは片付いたわ、あなたのほうは体調が良くなってから考えなさい。本当に怒られて倒れたら元も子もないわ」

私は思わず笑った。亜季がいてくれて良かった。

私が姿を見せなかったことで、靖彦は恥をかいたのだろう。

彼の電話には出なかったし、煩わしいのでミュートにしてしまった。メッセージも無視した。

三回目の電話の後、靖彦はついに限界に達し、最後通牒を出した。

「久美、お前は全体のことを考えてない!」

私は応じなかった。今日の婚約は完全に吉田家の一方的な決定だ。

私の両親は離婚してそれぞれ新しい家庭を作ったが、私への関心は薄いものの、生活費はちゃんと出してくれていた。

私が負傷した後、両親にはキャンセルの連絡を入れて、航空券も返金した。

靖彦は聞く耳を持たない。信じてもらえないなら、私が必死になって付き合う必要もない。

しかし彼が代理を立てて婚約パーティーを行ったとは思わなかった。本当に顔に泥を塗るとは。

包帯替えをしているとき、二人の看護師が靖彦の婚約パーティーについて話しているのが聞こえた。

「吉田委員長が今日婚約するって。婚約者はとても可愛らしいんだって、一見弱々しくて押し倒せそうよね!」

「吉田医院長は運が良いわ、これが彼らの写真よ!」

包帯替えの隙間に、私は一瞥した。写真には靖彦と松本佳奈が映っていた。

二人は一緒に立ち、佳奈は彼の肩に頭を預けて、笑顔で幸せそうに見えた。なかなか似合いのカップルだ。

私は瞬きをした。包帯を替える看護師が私を見た。

「痛かったですか?もう少し優しくしますね!」

私の頬を一筋の涙が流れ落ちた。

「痛かったわ、我慢できなくて」

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status