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第2話

山本はニヤニヤ笑いながら、私たちは会場の内部へと進んだ。

部屋には、舞台に向かって並んだ何百もの柔らかい椅子があり、舞台は幕でしっかりと隠されていた。この時点ですでにほとんどの席が埋まっており、山本は私を引っ張って前列に座らせた。

彼は身を屈めて、小声で「そのままの意味だよ。絶対に度肝を抜かれるよ」と言った。

その時、スピーカーからアナウンスの声が聞こえてきた。女性の司会者で、英語を話していた。内容はなんとなく理解できた。

「皆さん、このオークションにようこそ。まもなくイベントが始まります」といった感じだ。

会場にいる人たちは、私と同じく全員が仮面をつけていた。

しばらくして、ようやく幕が上がった。幕の後ろには、四角いアクリル製の展示台があった。

その中には、なんと人が入るサイズの犬用ケージが!

その中には、全裸の女性が縮こまっていた。首と四肢には首輪がつけられ、鉄の鎖でがっちりと固定されていた。

見た目からして、彼女はヨーロッパ出身だろう。

場内の拍手が鳴り響く中、檻の中の鎖が伸び縮みし、彼女は強制的に手足を広げられ、大の字にされた。全裸のままで。

驚くべきはそれだけではなかった。アクリル製の展示台は360度回転し、その場で回り始め、会場の客たちは全方位から彼女の体を堪能できるようになっていた。

それだけでなく、ステージ脇には高精細のカメラが設置されており、後ろの観客が見えにくいことのないように、彼女のつぼみや苦悶の表情までもがスクリーンに映し出されていた。

こんな光景は見たことがなく、私はすぐに山本の腕を掴んで聞いた。「ここは一体なんなんだ!」

「お兄さん、ちょっと変わった体験をしたいんでしょ?大丈夫、入札しなくてもいいから、ただ見てるだけでも十分さ」

周囲には全身武装のガードマンがずらりと並んでいて、私はその場で立ち去る勇気はなく、そのまま座席に座り続けた。

私の表情から「興味ない」という気持ちが伝わったのか、山本は「もう少し待って、すぐにアジア人が出てくるよ。きっと気に入るはずだ」と慰めてくれた。

司会者の声が響く中、次々と入札の声が飛び交い始めた。

山本も便乗して札を上げたが、提示した金額はわずか10万円ほどだった。私は思わず言った。「一夜のために10万円も出すのはもったいない。風俗街に行った方がマシだ」

山本は吹き出して笑った。「お兄さん、10万円は一晩じゃなくて、永久利用権を買うんだよ」

「なんだって!?」

私はゴクリと唾を飲んだ。「10万円で、彼女が永久に好き放題できるのか?」

山本は頷いた。だが、私は海外旅行中で、さすがに生身の人間を連れて帰るわけにはいかない。山本は私の心配を察したのか、さらにこう言った。「お兄さん、本気で入札するつもりなら、専門のスタッフがその人をどこへでも届けてくれるよ」

「全国、どこでもね」

その言葉に心が揺さぶられた。舞台に立っている女性は本当に美しかった。

私たちが話している間に、ヨーロッパの女性のオークションが終了し、最終的に彼女はある老人に16万円で落札された。

司会者の進行により、次の女性がステージに上がった。

前の女性とは違い、この女性は東南アジア系の顔立ちをしていた。彼女は犬用ケージに閉じ込められておらず、代わりにアクリル製の箱の中に立っていた。

彼女はハイヒールを履き、身につけている服はもはや「数枚の布切れ」と呼べる程度のものだった。

典型的な「ピーチヒップ」を持つ彼女は、ステージの上で誘惑するように体をくねらせていた。

カメラが彼女を映すたびに、彼女は腰を突き出してお尻を振り、ウインクをしながら投げキッスを送っていた。彼女の白く柔らかい体は、見る者の心を熱くさせた。

東南アジアの女性がこんなに積極的だとは思わなかった。前の女性のように無理矢理連れてこられたのかと思っていたが、彼女はむしろ誰かに自分を落札してほしいと願っているようだった。

参加者はみんな精力絶倫な男たちで、落札された後、どんな生活が待っているかは想像に難くない。

私は心の中で湧き上がった疑問を山本に打ち明けた。すると彼は、気にする素振りもなく手を振りながら言った。「彼女たちが落札されない場合、ここでの生活が楽になるとでも思ってるのか?」

「もし彼女たちが買い手がつかなかったら、ミャンマーに送られる可能性が高いんだ。そこでは国際詐欺集団の連中に対するご褒美として使われることになる」

ミャンマーでの国際詐欺が横行しているのは私も知っていた。国際詐欺のボスたちは、一定の金額を稼ぐと、美人を報酬として与えられるらしい。

山本はさらに続けた。「あいつらは蛇蝎のような連中で、体を奪われた後、女性たちは狼の巣に放り込まれて好きにされるんだ」

「だから、ここでお金持ちに拾われるほうが彼女たちにとってはむしろ幸運なんだよ」

今回の旅行でこれが良い経験になった。何の成果もないと思っていたこの旅行で、思いもよらぬ出来事が待っていたのだ。

次にステージに上がったのは、なんと私の知り合いだった!

かつて大学で人気を誇った、あの美人女子学生だったのだ。

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