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第10話

私についての噂はまだネット上であふれているけど、

幸い、悪人は罰を受けた。

大石さとしが死刑になる前に、私に会いたいって言ってきたんだ。

神崎が私と一緒に行ってくれた。大石はガラス越しに私を見て「竜宮、たとえ私が亡霊になったとしても、お前を許さないぞ。私がどれだけお前に良くしてやったと思ってるんだ。笑わせるなよ。結局、最後にはお前にやられちまった。私がお前に何か悪いことしたっていうのか?」

「大石、本当の優しさっていうのは、偏見も極端なこともなくて誰にでも平等に優しいことだよ。あなたに閉じ込められたあの時で、私たちの間に本当の愛なんてなかったってことがわかったわ。ただの異常な支配欲だけだから。来世では人間やめて、どうせわからないし」

神崎は横からフォローして「来世可愛い動物になれますように」と。

私たちの会社のゲームが無事オンラインでリリースされた。

前の騒ぎで、このゲームの知名度が前代未聞のレベルになったと言える。

警察署が私と私たちの会社のことを公開表彰した。

普通のユーザーと好奇心旺盛なプレイヤーたちがたくさん増えて、何度もサーバーがパニックになってしまった。

前原おじさんが大儲けて、神崎の声優についての議論や二次創作の量も他とは比べ物にならないほど。

神崎の写真を思い出したんだ。

その時海外で勉強している私は、小さな男の子が乞食をしているのを見かけた。彼がかわいそうに思えて、お金をあげてパンを買いに行ってあげた。

しかし、それを許してくれなかった大石は私に怒りをぶちまけ、人の心が荒んでるとか、私が聖母みたいだとか言った。私は、どうして子供までに嫉妬するのかって。

今にして思えば、その時からすべてには兆しがあったんだ。

神崎と結婚した夜、もう我慢できなくて、ずっと疑問に思ってたことを口に出しちゃった。

「神崎、私が引っ越してきた最初の夜、毎晩何を叫んでたの?」

ちょっとお酒を飲んでいた楚岑は、しばらく考え込んで「声の練習とトレーニングを頑張ってたんだ。その頃、情熱的なシーンを演じていて、一生懸命勉強してた」と。

「ああ、勉強してるんだ。成果はどうですか?」

神崎の目の中のぼんやりとしていたものが消えて、突然私を横抱きにして持ち上げた。

耳元で攻め的な口調で「じゃあ、自分で確かめてごらん」と言われた。

……

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