元妻が戻った日に、私は離婚した
ビジネス界の大物は子連れのバツイチ。
私・桐島璃央(きりしまりお )は彼と電撃で再婚した。
結婚して五年、私は仕事を辞め、家にすべてを捧げて「いい母」「いい妻」でいようとした。
そんな日々は、郷田和真(ごうだ かずま)の元妻・佐藤静香(さとう しずか)が突然帰国の準備を始めるまで続いた。
その夜、五歳の息子・郷田拓哉(ごうだ たくや)は和真の部屋から私の荷物をゲストルームへ放り出した。
「あなたは継母だ。パパと一緒に寝ちゃダメ。ママを悲しませたくない。出てって、ここは僕たちの家だ!」
家政婦たちはせせら笑い、和真は眉を上げて私に言った。
「息子が実の母の味方をするのは普通だ。気にするな。今俺の妻はお前なんだから」
私は「うん」とだけ答え、投げ出された荷物を黙って片づけた。
深夜、和真が私のベッドに潜り込もうとしたが、私は首を振った。
「婚姻契約の期限はあと二日。二日後、私たちは離婚しよう!」