次の日、荷物を準備して1階に降り朝食を用意してくれているリリアさんに今日街を出ることを告げる。「リリアさん、おはようございます」 「アキツグさん、おはようございます」 「急で申し訳ないのですが、仕事の関係で今日街を出ることになりました。短い間ですがお世話になりました」 「えぇ!?今日ですか?それはまた急な話ですが、仕事なら仕方ないですね。では、残りの宿代をお返ししますね。少々お待ちください」 「いや、それはチップとして取っておいてください。宿のサービスも良かったですし、リリアさんの歌にはそれ以上の価値がありましたから」 「まぁ!ほんとにお上手ですね。それではありがたく頂戴いたしますね」 「えぇ、なので最後の朝食にも期待してます」 「あらあら、それじゃ腕によりをかけて作らないと」そうして特製の美味しい食事を頂いた俺はリリアさんに別れを告げて、冒険者ギルドに向かった。 冒険者ギルドに入ると昨日言われた通り受付で名前を告げ、お勧めの冒険者を紹介して貰う。「俺の名はクロヴだ。よろしく頼む」 「旅商人のアキツグです。よろしくお願いします」クロヴさんは24歳ぐらいで長めの黒髪を後ろで縛っている。 体格は中肉中背で、身長が170センチぐらいある俺より頭1つ分大きい。 一人だけというのが少し意外だったが、ハロルドさんには何か考えがあるのだろうと思い一先ず気にしないことにした。 簡単な自己紹介を終えて、今後の予定についても伝える。 クロヴさんも問題ないという話だったので、さっそく街の入り口近くにある馬車の待機場に向かうことにした。 待機場に着くと昨日見せて貰った馬車が確かに停まっている。荷台には荷物も積み込み済みのようだ。 馬車を受け取り予定通りサムール村へ出発する。街から出る際に検問もあったが特に疑われることもなくすんなり通ることができた。 しばらくは街道をまっすぐ進むだけで危険もなさそうなので、クロヴさんに話を振ってみた。「クロヴさんは冒険者になってどのくらいなんですか?」 「7年ほどだな。とい
Terakhir Diperbarui : 2025-03-05 Baca selengkapnya