「いててて……」頭がガンガンするぞ。風の水晶を作った翌日に北の洞窟へ向かっているのじゃが……どうにもこうにも頭が痛くてたまらん。「そりゃ、あれだけ酒を飲むんだから、 翌日に二日酔いにもなるよ」分かり切ったという顔であやつが話しかけてきた。「いいや、これぐらいの量、前はなんともなかったぞ」封印前はもっと飲めていたはずなんじゃが……「それだけ年をとったってこと……」なんと失礼な物言いじゃ。ワシを何だと思っている。「おぬし、その言い方はなんじゃー! ワシは年などとっておらぬぞ」あやつの胸ぐらをつかみ、にらみを利かせてみる。「ごめんごめん。 長いこと封印されていた影響でもあるんじゃない?」そうじゃ、そうじゃとも。ワシがこんなんになるのは、それ以外考えられぬわ。「フーインってなんのこと?」不思議そうな顔で小娘の娘がこちらを見ておる。そういえば小娘の娘が一緒におったんだったわ。「なっ……何でもないよ、フォルトナ。 それより北の洞窟はあとどのくらいかかる?」あやつ、うまくごまかして話をそらしおった。これぐらい剣も上手くなってくるといいのじゃがのぅ。「うーん。 まだまだ先かなー。 それに、まださっき村を出たばかりじゃん。 そう早くは着かないよ」「それはそうだね…… は……はははは……」話は上手くそらせたけど、詰めが甘いのぅ。振った話がそれじゃ、話も続かんじゃろ。「おい、小娘の娘! この騒ぎが起きてから、北の洞窟には行ったのか?」これから向かう北の洞窟での様子を聞いてみた。「だから、小娘の娘って言い方は止めてよー。 ボクはフォルトナという名前があるんだから」言い方が気に食わない様子じゃ。小娘の娘が口を尖らせておる。「小娘の子供だから、小娘の娘と言って何が悪いんじゃ」ワシは間違ったことはいっておらんぞ。「間違いじゃないけどさー。 人を呼ぶときは名前があるんだから、名前を呼ぼうよ。 ね~、お・つ・き・の・ひ・と」小娘の娘はわざとらしい笑顔をこちらに向けてきた。腹立たしい。「お前だってワシの名前を呼んでいないぞ」「だってわざとだもーん。 こっちも名前で呼ばれるまでは意地でも呼んであげない」雰囲気が悪くなってきたのを感じてか、あやつが割り込んでくる。「まぁ、まぁ。 お互い意地にならずに
Terakhir Diperbarui : 2025-03-25 Baca selengkapnya