Semua Bab モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている: Bab 11 - Bab 20

44 Bab

第10話 勇者様が来られた ~アウラサイド~

昨日は勇者様が来られてバタバタだったわ〜。国王様から勇者様の召喚に成功したことは聞いていたけど。こんなに早く来ていただけるとは思っていなかったわ。たしかあの時は……~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「おい、お前たち。 急に魔物がいなくなった原因はつかめたのか」武装した中年の兵士、デシールが、若い兵士に対して声を荒げています。あらあら、そんな言い方しなくても……「申し訳ございません。 まだつかめておりません」若い兵士は直立不動でそう報告しています。やだわ……どうなったか原因を早くつかんでほしいわ。「さっさと探ってこい。 それでも、この村の強者たちか」さらに声を荒げるデシール。「デシール、そこまで言わなくてもいいですよ。 もう少し優しくしましょうね」私はデシールに向かい、そう窘めました。デシールは頭を掻き、苦笑いをしながら、私に対してぺこぺこと頭を下げます。若い兵士は、敬礼をしながら「承知 さらに手分けをして探ってまいります」と私とデシールに話すと、足早に森に戻っていきます。数日前に南の森の様子が変わってきたようでした。先日までの異様な雰囲気がなくなっていました。シルフ族の私は風の使い手でもあります。森を流れる風から、なんとなく様子がわかります。明らかに風の様子が変わっていたのです。そのこともあり、村の精鋭たちを集めて、南の森の様子を伺わせに向かわせました。その者たちからの報告もありましたが…うろついていたウォーウルフも姿は見あたらない。徘徊していたウォーウルフキングの姿も数日前から見ていない。そういう報告があがってきました。ただ原因はつかめなかていませんでした。私はこの森の通行を許可していいものかを考えていました。「原因がわからない以上は、いつ危険になるかわからないしねぇ。 いなくなった原因さえつかめれば……」そんな時でしたね。「コンコン」扉をノックする音が聞こえます。「アウレストリア王国の国王からの指令で来たアグリというものです」扉の向こうから男の人の声が聞こえてきます。んーっ……国王の指令……?もしかして……もしかしてもしかして……あ……あの……勇者様!?森でのことがわからず難しい顔をしていた私の顔が、いっきに綻びます。噂に聞い
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-14
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第11話 魔獣アウルベア ~アグリサイド~

北西部周辺に出立する前に、村の長であるアウラさんのところへ行った。「これから北西部周辺の魔物の殲滅と調査をしてこようと思います」元気よくアウラさんに挨拶も兼ねて伝える。「早速ありがとうございます」アウラさんも深々とお辞儀をして、俺に感謝の言葉を言ってくれた。「俺もまだまだ強くならないといけないので、時間をいただくことになるとは思います。 ただ、必ず正体を突き止めて、村を平和にしていきます」まだ俺自身の力に自信があるわけではない。でもゾルダと一緒ならなんとかなるかもしれない。「期待しています。 私に力がなれることがあれば、いつでもおっしゃってください」アウラさんからそう期待されるとついつい強気になってしまう。でも俺の力だけではどうにもならないこともあるかもしれない。ゾルダの力でもだ。まぁ、ゾルダは戦闘では負けないと思うけど、力だけでなんとかならないこともありそうだ。「その時はお力を借りると思います。 では行ってきます」アウラさんとの話が終わると、北西部に向けて歩き出した。「おぬし、用は済んだか。 さて、どんな強い魔物がいるのか楽しみだのぅ」ゾルダは戦いが出来そうなこともあって、上機嫌だ。機嫌がいいうちに、少しでも力を借りて魔物の殲滅をしていかないといけない。「さぁ、どんな魔物がいるか、様子を見ながら進んでいこう」北西部の森に入り、しばらく進んでいく。俺ではなかなか魔物の気配は察知できないので、ゾルダに確認をする。「ゾルダ、周りに魔物はいるか?」「…………」あれ?ゾルダから反応がない。「おい、ゾルダ」「……………………」返事がない。寝ているのか。ゾルダの援護がないなら慎重に進まないと……恐る恐る歩を進める。周りを警戒しながら。さすがにちょっとビビり過ぎかも。でもこの間のウォーウルフキングみたいなのが突然出てこられてもな。拓けた道ではあるが周りの様子を伺いながら進めていく。すると大きな木がたたずむ場所へと出た。「ずいぶんと大きな木だな。 なんの木だろう」上を見上げてみる。ガサガサ――――ガサガサガサ――――大きな木の枝が揺れる。「グォーーーー」1頭の熊が落ちてきた。落ちてきたのではない、降りてきたのだ。「うぁっ。なんだ、この熊は」慌てて剣を構える。大きさとしては2mぐら
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-15
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第12話 魔獣アウルベア その2 ~ソフィアサイド~

あやつも順調に魔物を倒せるようになってきてるようだのぅ。最初苦戦しておったが、コツを教えたら、早く結果を出しおった。案外切れ者なのかもしれん。だいぶ倒してきたようじゃが……「今度はそうもいかんぞ」ちと違う気配がしてきた。そうあやつに伝える。「何かいるのか」そういうとあやつも臨戦態勢を整えた。「そうじゃなぁ 強い気配があちらからするのぅ。 たぶん、今までのやつらの親玉じゃろう」あやつと二人で気配がする方へと近づいていく。鬱蒼と生い茂る草場の陰から覗き込んで見てみると、そこに魔獣がおるではないか。「ほぅ、あれは…… 魔獣アウルベアだのぅ」どこかで見た覚えがあるやつじゃったが、確かそんな名前じゃったかのぅ。「アウルベア?」あやつは初めて聞く名前なのか、ワシに対して聞き返してきた。「頭がフクロウ、体が熊の魔獣じゃ。 ちと厄介じゃのう」単にガンガンとくるだけが能の魔獣とは違ったような気がしたのぅ。「厄介? 今までの魔物と違うのか?」あやつはすぐに質問してくる。分からんからしかたないのかもしれんんが……もう少し自分で考えないものかのぅ。「ちょっとばかり知能もあるから、いろいろ考えおる。 まぁ、ワシが出れば造作もないことじゃがの。 今まで休ませてもらったし、ここはワシの出番かのぅ」ワシは剣から飛び出して、アウルベアの方へ近づいていった。久々に少し手を煩わしそうな魔獣だのぅ。まぁ、今のワシにとってはまだまだ足りん相手じゃがのぅ。少しは運動になるやもしれん。久々の戦いに思わず笑みがこぼれてしまう。「さて、俺も協力する」そう言うとあやつも、ワシの後に続いてきた。「久しぶりじゃのぅ、お前らの種族と戦うのも」魔王になる以前じゃったかな。あの時はまだワシも力が乏しかったから苦戦したがな。「オマエハ……」片言の言葉でアウルベアはしゃべりだした。もしかして……「おっ、覚えているのか。 以前、ワシとやりあったはずじゃがのぅ」あの時のやつじゃったらと思うとさらに気持ちが高ぶってくるのぅ。「シラン……」そっけなく返されてしまった。さすがにあの時のやつではなかったのぅ。「違う奴じゃったか。 そうじゃそうじゃ、さすがにあの時のアウルベアも生きてはおらんな」自分で話をしておいてなんじゃが、だいぶ前のことじ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-16
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第13話 大きな木 ~アグリサイド~

それにしても強い相手だった。頭と体が離れるなんてどうなっているんだ。苦戦はしたけど、なんとかアウルベアを倒すことが出来た。「なんとかだったのはおぬしの方だけじゃ」不意にゾルダがつぶやく。「ん…… そう思っただけじゃん。 ……って、心を読むなよ」実際に俺はギリギリだったんだし、ゾルダほど余裕がある訳ではない。「相変わらず不格好な剣技じゃのぅ。 なんとかならんのか」ゾルダがブチブチと文句を言う。「そう言われても、今までやったことないことだから。 なんとかなっているならそれでいいだろ」不格好でもいいではないか。俺は俺なりにやっているんだから。「こう、もっと、そうじゃのぅ…… かっこよく勝てんもんかのぅ」簡単に言うよな、ゾルダは。「…… 出来ればやっているよ。 いいだろ、結果出てるんだから」まだそこまで戦っていないんだから、無理は言わないでくれよと思う。「紙一重じゃ。 今のうちになんとかしないと、後で苦しむぞ。 結果だけじゃないぞ。 過程も大事じゃ」魔王のくせに正論をいいやがって。わからんでもないが、まともに言われると正直傷つく。「……善処するよ」そうボソッと答える。正論なだけに言い返すこともできない。「ワシが手ほどきしてもいいからな」相変わらず上から目線のゾルダだ。「考えておくよ……」そう言いながら、落ちた気持ちを奮い立たせようと、自分で両頬をパチンと叩いた。よし、気持ちを切り替えてと。ここ一帯はこれで落ち着くのかな。あとは何か手がかりがないかの調査をしないと。魔物が湧き出る洞窟か……だいたいこういう類いは、封印が解けたとか、いたずらで社の宝珠を持って帰ったとか、そういうものでしょ。でも、そんなことはアウラさん、言ってなかったな……「ゾルダ~。 お前も一緒に探してくれよ」ゾルダは疲れたのか、アウルベアとの戦いの後は、剣の中に入って出てこない。「ワシは嫌じゃ。 疲れたので休憩じゃ。 ただ索敵だけはしておてやるから安心せい」きまぐれというかわがままというか。魔王はそういうものなのか。「ここら辺りをくまなく探すというのは結構大変だぞ。 なんか魔力を感じたり、魔物が集まっていたり、するところはないの?」ゾルダが何か感じていないか確認をしてみた。「うーん。 そういう意味じゃ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-18
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第14話 風の水晶と祠と結界 ~アウラサイド~

勇者様は今頃は北西部を探索していらっしゃるでしょうか。もう魔物の殲滅は終わっていたりして。ウォーウルフキングの討伐もさっと終わらせていますからね。きっとあっという間に終わって帰ってこられるのでしょう。楽しみだわ〜。シルフィーネ村の民からのお願いや依頼ごとを確認しつつ、勇者様のことを思い出す。何故か彼の事ばかり考えてしまいます。もう少し仕事に集中しないと。昼過ぎからはなんでしたっけ……そうそう、集会所の床が抜け落ちそうなのを見に来てほしいと頼まれていたわ。確認をしてさっさと修理をお願いしましょう。まずはこの書類の山をなんとかしないと。集中してさささっさーとこなしていきます。私にかかればこれぐらいすぐに終わります。ただ何故か山にならないとやる気がでないのよね。だから周りからはあのことはどうなった、これはどうなったといろいろと言われてしまいます。……………………………………………………さてと、書類も片付いたことですし、集会所に行きましょうかね。村の中心部を歩いていると、市場の人たちが声をかけてくれます。「長、いい肉が手に入ったから持っていきな」お肉屋さんのブルーノさんが威勢のいい声で話しかけてきます。「ありがとうございます」ブルーノさんのところのお肉はおいしいので助かるわ。「アウラさん、うちの子見かけませんでしたか? 遊びに行ったきり帰ってこなくて……」今度はオレリーさんが、息子さんを探しているようです。「えーっと、たしか…… イリアスくん……でしたっけ?」「ちがうよ。 イリアスは、向かいのモスカんちの子だよ。 うちの子は、プラールだよ」あら、間違えて名前を憶えていましたね。「あー……そうでしたねー。 プラールくんなら、そこの広場で見かけたかなー」元気よく広場で遊んでいたのを通りがけに見たことを伝えます。「アウラさん、ありがとう。 あいつ、何を遊んでいるんだ」村の人たちはいろいろと話しかけてくれるので嬉しいですねー。たまにいろいろと忘れたり、ドジしたりしていますが、暖かく見守ってくれます。村の人たちといろいろと話しながら、集会所に到着しました。さて、集会所の床はどうなっているのでしょうねー。「長、わざわざ来ていただいて申し訳ございません」集会所を管理しているコンラッドさんが、困っ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-19
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第15話 北東部の丘へ ~アグリサイド~

シルフィーネ村の長のアウラさんに北西部の状況を報告した翌日。アウラさんが教えてくれた北東部の丘にある社を探しに向かった。ゾルダは相変わらず剣の外には出てこない。出てこないだけならいいけど、さっきから何かしら考え込んでいるようだ。「うーん…… どうじゃったかのぅ。 なんかこういうことが前にもあったような気がするのぅ……」それにしても大きい独り言だ。「ゾルダ、何を考えているのか知らないけど…… 頭の中に声を響かせるのはやめてくれないか」ガンガンと脳の中をこだまするような感覚で声が聞こえるのでたまったものではない。「ん? おぬしにも聞こえておったか。 そんなつもりではなかったのじゃが……」最近は剣の中にいても、ゾルダの声がはっきりと聞こえるようになってきた。レベルがあがってきたことと何か関係があるのかな。勇者としてのスキルはまだいまいちわからないが、魔王とリンクしやすくなってきたのは勇者のスキルなのかな……そんなことはないか。「さっきから何を考えているんだ」それだけ悩まれるとこちらも気になってしまう。「いや…… ウォーウルフにグリズリーだがのぅ…… どこかで一緒にいるのという話があった奴らじゃったと思うのじゃが、思い出せんのじゃ」以前に何かあったのかな……「それはゾルダが魔王をしていた頃の話か?」何の事か、ゾルダに確認をする。「そうじゃ! だしかゼドだったか、シータだったか…… 話を聞いた覚えなのじゃが……」魔王時代の話なのかもしれない。「ゼドは確か現在の魔王だったけ?」以前聞いたゼドの名前が出てきたので、ゾルダに聞き返す。「そうじゃ。 あやつはワシの直属の部下4人に次ぐ奴じゃったが…… 考えておったら、あやつの顔を思い出してきた。 ワシをこんなことにしおって。 ムカつく」ここでムカつかれても困るんだけどな。本題はウォーウルフとグリズリーの組み合わせのことなんだけどな。「ふぅっ…… 話がずれてきてるって。 今、考えていたのは魔物たちの話じゃなかったけ?」話を元に戻すために切り返す。「そうじゃった、そうじゃった」思い出したかのように声をあげるゾルダ。「そう言えば、シータっていうのは誰? 初めて聞く名前だけど」「おおぅ、シータはのぅ…… ワシの直属の部下の1人で、その中では一番弱
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-20
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第16話 蛇竜ヒュドラ ~ソフィアサイド~

しかしサーペントは数が多いのぅ……あやつも頑張ってはいるが、これだけおると体力がもつかのぅ……「なぁ、ゾルダ。 これ、どれだけいるんだ?」へとへとになりながら、あやつが尋ねてくる。「ん~…… そうじゃなぁ、まだまだおるぞ。 確かにこれだけ多いのも珍しいのぅ……」異常発生というレベルではあると思うがのぅ……まぁ、なんとかなるじゃろう。「まぁ、せいぜい、頑張れ、おぬし。 はっはっはははは~」「呑気だなぁ」呆れた顔をしてあやつが天を仰ぐ。「グリズリーと大差ないから余裕じゃろ」※注 サーペントはグリズリーよりだいぶ弱いが、ゾルダから見ると大差がなく見える   アグリはサーペントの方がグリズリーより少し強いと勘違いしている「頑張れるだけ頑張るけど、この量はなぁ…… ちょっと大変かも」だいぶ疲れておるようじゃが、まだまだ大丈夫じゃろう。「いい経験になるぞ。 ワシじゃったら、一瞬だがのぅ」多少の力を貸してあげてもいいのじゃが……ウォーウルフにグリズリーがおって、サーペントがここにおる。さっきから、この魔物たちの取り合わせを考えておるんじゃが、思い出せん。たしかこれらを束ねる上の魔物がおったような気がするんじゃが……「倒しても倒してもキリがないよ。 ゾルダ、手伝ってよ~」あやつが情けない声で手助けを頼んでくる。「ん? 今は考え事の最中じゃ。 邪魔をするでない」なんとか思い出しそうなところなんじゃ。邪魔するでない。「こっちもそれどころじゃないんだけどな~」ますます情けない声になってくるのぅ。あやつは。「おぬし、仕方がないのぅ。 たしかサーペントを取りまとめておる魔物がおるはずじゃ。 そいつを倒したほうがよさそうじゃのぅ」「そういうのがいるなら早くって言ってよ。 どこにいる?」別に出し惜しみをしていたわけではないぞ。いろいろと考え事で忙しかっただけじゃ。「まぁ、まてまて、慌てるでない」考え事をしておったから、魔力探知はしておらんかった。集中して周辺の様子を伺ってみる。「あっちの方向じゃ。 サーペントとは比べ物にならん魔力を感じるぞ」「ありがとう、ゾルダ。 あっちだね」あやつは指を差し向け確認をしてくる。「でも、あっちもサーペント多いなぁ……」ここまで倒してきているんじゃから、そんな
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-21
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第17話 ボクはフォルトナ! ~アグリサイド~

相変わらずゾルダの破壊力は凄まじい。ヒュドラ相手でもあっという間だった。こういうのをチートって言うのだろう。アニメやマンガの世界なら、俺がこういう能力を持っているはずなのだが……「ほれ、おぬし。 ボーっとしておらずに、とどめを刺すんじゃ」「相変わらず規格外の力だな」「おいしいところだけ残しておいてやったのじゃからありがたく思え」確かにおいしいし、ありがたいけど……これって俺いるか?って感じにもなる。氷漬けになったヒュドラに一閃すると、ガタガタと音をたてて崩れ落ちる。まぁ、これで一緒に戦ったことになって、俺の経験にもなる訳だが……異世界転移して俺TUEEEってなってないな。でも、何の因果かわからない。だけど、チートなゾルダが封印されている剣をもらえたのはラッキーだったかも。「さぁ、これでここは終わりじゃな。 さっさと帰るとするかのぅ」ゾルダは仕事は終わったとばかりに帰ろうとする。「いやいや。 まだ社を確認出来てないって」大事な仕事が残っているのだが、どうにもゾルダはそんなことはどうでもいいようだ。「確かにそのような話を小娘がしとったなぁ」「小娘ってアウラさんのこと?」「そうじゃ、ワシからしたら小娘じゃ。 では……あとはおぬしに任せた」「おい、ゾルダ!」ゾルダは戦いが終わるとさっさと剣へと帰ってしまう。まだ目的の1つしか終わってないんだけどな。祠を探すために歩き始めた。しかし、ゴツゴツした岩が視界をさえぎり思うように探せない。この前の森では大きな木の中に祠があった。ここもそういう類だろうか。少し上りやすそうな岩を見つけて上って辺りを見回してみる。「どの辺りかな」とにかくこの辺りで一番大きな岩を探してそこに行ってみよう。「あっ、あそこが一番大きそうだ」岩が多い丘の中でもかなり目立った大きさの岩を見つけることが出来た。さっと飛び降り、急いで大きい岩へと向かう。ところどころにまだサーペントが残っているが、一撃で倒せるのでそれほど苦にならない。大きい岩の近くに着くと丹念に周りを確認した。すると人が一人入れるくらいの穴を発見した。「よっしゃ、ビンゴ」予想が当たって嬉しい。すると、ゾルダが話しかけてくる。「何を小躍りしておるのじゃ」「いや、祠の入口らしきものを見つけたから、つい嬉しくなって」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-22
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第18話 忘れっぽくて…… ~アウラサイド~

勇者様は北東部の丘でしたっけ……あそこは岩だらけで、あちこちにキノコみたいに生えているので、迷いますよね。勇者様も迷子になっていなければいいのですが…迷子になったら、なったで私が助けに行けば……うふふふふふ……って、こんなことを考えている場合ではなかったですね。風の水晶を作らないといけませんでした。たしか、あそこの本棚にあったと思いますが……目的の本棚へと足を運んでいく。上から順に指をさしながら、確認をしていった。あっ、あったあった。確かこの本だったと思います。本を開いて1ページ1ページさっと見ていきます。ここじゃない、ここじゃない、どこでしたっけ……数十ページ進んだところで、手が止まる。ここでしたか。どれどれ……風知草(かぜしりそう)の根と玻璃(はり)が必要っと……それで結晶を作り、風の呪文である『ゲイル』を閉じ込めて作るっと。玻璃はたしか家にあったような気がします。風知草は無かったかな~。「カルム! カルムはいますか?」カルムは私がいろいろとお仕事をお願いしているこの村一番の強者です。勇者様ほどではないですが、何か起きた時には頼りになる者です。遠くに行くときには身辺の護衛もお願いしています。「はっ。 私奴はここにおります」いつもでも私が呼ぶとすぐにカルムは来てくれます。本当に助かります。「いつも早いわね。 風の水晶を作るために、風知草の根が必要なの。 取ってきて欲しいなと思って」カルムに今回の用件をお願いします。いつも頼ってばかりで申し訳ないけど……「はっ。 早速、取りにいってまいります」相変わらず行動が早いですね~。あっと言う間に目の前からいなくなりました。カルムだから何も心配せず任せられるわ。すぐにでも戻ってくるでしょう。私は風の水晶を作るための準備をしましょう。部屋に戻って、調合のための準備を進めます。これと、これと、これと……道具などもすべて準備できましたわ。あとはカルムが戻ってくるのを待つばかりです。しばらくするとドアをノックする音が聞こえてきました。「コンコンコン」「はーい」入口に向かって歩いていきます。「カルム、やっぱり仕事は早いわね」扉を開けながら話しかけます。ただ開けてビックリ。勇者様がそこにいらっしゃるではないですか。「アウラさん……
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-23
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第19話 風の水晶 ~アグリサイド~

北東部の丘の祠で助けたフォルトナと共にシルフィーネ村に戻った。フォルトナがアウラさんのところへ行くと言うので、状況の報告も兼ねて向かった。そこで聞かされた事実にビックリ。アウラさんとフォルトナが母娘だったって……「なぁ、ゾルダ。 フォルトナがアウラさんの娘だったってビックリしたな」思わずゾルダに同意を求めてしまった。「そうじゃのぅ。 同じシルフ族だとは思っていたが、親子だったとはのぅ」親子だと言われれば確かに容姿は似ている。でも、性格は全然違うので、微塵も思わなかった。あのやさしそうでおっとりしたアウラさんから、この元気な娘さんが……仰天の事実にしばらく呆気に取られていた。するとアウラさんが不安そうな顔で話しかけてきた。「あのー、お話を進めていいでしょうか……」申し訳なさそうに俺のことを見ている。「あっ……はい。 話を進めてもらって大丈夫です」俺の言葉を聞いて安心したのか、アウラさんはにこやかな顔つきになる。「風の水晶の材料が揃いましたので、早速制作にとりかかろうかと思います~。 勇者様も見ていかれますか?」手伝えることもなさそうではあるけどどうしようかな。考えていると、不機嫌そうにゾルダが顔を覗き込んできた。「ワシはもう疲れたし、早く宿に帰ろうぞ」早く終われと言わんばかりだ。「ゾルダは早く酒が飲みたいだけだろ」ここのところ毎晩のように酒を飲んでいる。今まで封印されて飲めなかった分だと言って。「そっ……そんなことはないぞ。 ちょっとだけは思っていたがのぅ」ちょっとだけと言葉では言っているけど、それが本心だろう。「ちょっとだけじゃないだろ。 気持ちはわかるけど、せっかくだから少しだけ見ていこうよ」「仕方ないのぅ……」ゾルダはシュンとした顔をして、渋々承知したようだった。「アウラさん、少しだけ見させていただきます」そう伝えるとアウラさんは嬉しそうに答えてくれた。「わかりましたー。 じゃあ、こちらへ来てください。 あと、フォルトナも手伝って」「えー、ボクもー?」不満げな顔をするフォルトナに対して、アウラさんの厳しい視線が飛ぶ。「もー、わかったよ。 まったく人使いが荒いんだから」フォルトナも膨れた顔をしながらついてきた。家の中に入り、連れてこられた部屋は薄暗く理科の実験室のような機材
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-24
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