All Chapters of 代価に与えられしは…くちずけ一つ(即興…短編集): Chapter 31 - Chapter 40

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第27話 銀髪のバード…恋人を待つ女吟遊詩人シルリア

銀の髪をした美しい女性が歌を歌う彼女はシルリラ、バードと呼ばれる吟遊詩人激しい戦いの歌、切ない恋の歌、穏やかな失われた故郷の歌を…。「まだシルリラは待っているのか?」兵士の一人が呟く「ああ、死んだ事を受け入れずに 生きて戻るのを信じてる可哀そうに」「彼は 貴族の二男 美形で 本当に良い奴だった残念だ美しいシルリラと並ぶと まるで美しい絵のようだったあんなに互いを深く愛し合った二人なのに」シルリラは歌う「戦の嵐が吹き荒れる この大陸の覇者は一体誰? 果てない戦 いつか終わりが来る我らが主たちの勝利を祈り 信じて我らは戦う勝利の為に 愛する者たちの為に♪」リュートと歌の調べが終わり酒場には 拍手が起こるシルリラはそっと目立たぬように彼女は休憩の為に酒場の隅に座り食事を取っている。そこに「シルリラ いい歌だったよ」「アライア 有難う 嬉しいわ」「俺の兄の事は もう諦めた方がいい」「・・・・」悲しそうにうつむくシルリラ「俺も戦に出るギデオン様やイーサン様達の為にお役に立ちたくて」「ねえ、貴方も行くのね」「俺が無事に戻れたら・・俺との事を考えてくれないか シルリラ?」「アライア」「愛してるシルリア」「・・わからないわ でも・・貴方の事がとても心配よ 行って欲しくない戦に出なくても 幾らでもお役に立てるのじゃない?貴方の兄ハンソンもそうだったどうして私の大事な人は戦に行きたがるの?」「泣かないでくれ、すまない騎士として生まれ、この大事な時に自らの身や命を捧げるのは兄ハンソンも俺も同じだ」「考えてみるから、必ず帰ってきて」「約束する」その後の事である。アライアの行った戦地が激戦だと聞きシルリアは不安と悲しみで涙したのだった。そんな気持ちを押し殺して 吟遊詩人としてただ歌い続けている無事にアライア達がやがては…戻るって来ると信じて
last updateLast Updated : 2025-03-25
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第28話 コールドスリープ(冷凍)の恋人〜宇宙船の中で

「僕の可愛い人、眠れる白雪姫さん、寝顔が今日も可愛いね」 宇宙飛行士の男が微笑む 愛しい恋人はコールドスリープ装置の中で 冷凍保存中 「愛しているよ、君が目覚めるのは百年と三日後の予定、移住する惑星まで百年か…」 コールドスリープ、未来のテクノロジー 亜空間移動、ワープ航法が出来る…前は 宇宙船が長い時間、数十年、数百年の歳月をかけて 移動しなくてはならなかった。 或いは未開の惑星で大きな怪我などで 宇宙船、または設備の整った医療機関に運ぶ前、一時的に 身体の治療をする為に身体を冷凍保存する事も 良く、使われたのは 移住する惑星への移動、数十年、数百年の歳月を かけて、多数の人達、動物などを 冷凍保存して、宇宙船で運ぶ。 一人のサイボーグ、半機械化された人物が 恋する人を、冷凍保存された恋人をまた眺めていた。 それは愛しく、切なく 「録音の君の歌声は最高だよ、もう1000回は聴いたかな?」 「早く君の歌がまた聞きたいよ」 サイボーグとなったのは宇宙飛行士 移民船、移民の宇宙船を操縦する為に 彼は半機械化してサイボーグとなった男 「まあ、君と同じく冷凍保存でも良かったけどね」 軽く装置、顔の部分にキス 「優秀な宇宙船の宇宙飛行士だから、仕方ないさ」 静かに深淵深き闇色と星達の輝きに包まれた宇宙空間 その中を宇宙船は飛び去ってゆく。
last updateLast Updated : 2025-03-25
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第29話 コメディ?クリスマスの大きな靴下の贈り物は妖怪?

綺麗で華やかなクリスマスの飾り それにクリスマスツリー静かに外には雪が降り積もる。「あ、もうクリスマスツリーの傍にぶら下げていた靴下に何か入っている!」それは嬉しそうな声「頼んでいたクリスマスのプレゼント?プラモとか?好きなアニメの分?」「それとも、何か他かな?素敵なものだと良いな♪」小さな愛らしいお子様がそれはそれは嬉しそうに靴下を見て‥次には目を見開き、口元を歪ませた。口がパクパク、声が出ないようだ。「・・・・・・」青くなり、蒼白な顔の可愛らしい小さなお子様「あの」ようやく、少しだけ声を出す、お子様モコモコと靴下から出てきたのは小さな一つ目の小人、何故?「やあ、メンコィのおお(可愛い・・と言いたいかも?)でへでへ」嫌な感じの笑い顔、そんな笑顔を振りまくのだった。口から少しヨダレが(/ω\)イヤンな感じ他にも、靴下の中には酒に酔ったような叔父様な小人さんとかも出て来る「ジングルるううべええるうううう 鈴が鳴るううう」酔って謡っている小人「・・・・」小さな可愛いお子様は青い顔をして黙って‥その場に立ち尽くすのだったあああああああ、素敵過ぎるクリスマスの季節の中、クリスマスソングが素敵な感じで鳴り響く。
last updateLast Updated : 2025-03-26
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第30話 クリスマス サイレント・ナイト〜きよしこの夜の逸話など

暖炉の火がパチパチとはじけた 「暖かいね」「ええ」スキーを楽しみ、レンタルした小さな家で 暖炉の傍で恋人同士は会話している。 小さな近くにあるテーブルに置いてある小さな機械からは クリスマスソングの『きよしこの夜』の音楽が流れていたのだったアメリカ風にマシュマロを棒につけて暖炉の火であぶり口にする二人の恋人たち。 「甘いね」「うふふ、ねえ、他にもサンドイッチもあったわね 果実も」「お酒はワインにブランデーピーナッツバターとべーコン、レタス入りのトーストも…あるよ」彼は微笑して言う。 「知っているかい?『きよしこの夜』はイブ前日の夜に オーストリアの小さな教会で生まれたんだよ」   パイプオルガンがネズミにかじられて壊れた」「困った副司祭さまだったけど 生まれた子の祝福を頼まれて 夜にその子の家に‥ 闇色の星空 満天の星が彼を優しく包む」「彼は聖母マリアを思わせるような母子を祝福した後その夜空を詩にして、演奏者に詩をギターでも弾けるように作曲を依頼」「次の日、ギリギリできたのがサイレントナイト きよしこの夜 原題はシュライーレ・ナハト」「ココアにしようか、それとも珈琲か紅茶?」「ホット・オレンジもいいかも」 「ワインもある チーズもね」恋人たちはそんな会話を楽しそうに 暖炉の前でしていたのだった。
last updateLast Updated : 2025-03-26
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第31話 哀歌…魔法と科学の世界…果てしない戦争…機械魔攻兵レイムス

そう、思えば、血の海だった。いつも、いつも、いつも……。兵士として、果てしない戦争で戦う。そうして、今の身体は…自分の機械化した身体、ただ戦うための身体。エネルギー源は魔法の力を持つ輝く石、魔法石魔法の石の力で初級クラスの攻撃くらいは使う事も可能だ。機械化と魔法の石で強化された私の身体私の大事な愛する家族や恋人、友人達は敵国の者達に血の海に沈められた殺されてしまったそうして、跡形もない廃棄された廃墟の故郷の街だから、私は戦う。「私の愛した婚約者のマリアン、父さん、母さん…友人達、私の愛しい人達」過酷な戦争の中で、戦闘で私の頭の半分を吹き飛ばされて、記憶の多くは無くしてしまった。帰りたい、帰れないあの故郷には…もう何もない廃墟の故郷この戦いが終われば、休めるのだ永遠の眠りの安らぎを約束してもらった夢の中ならば、帰れる 幸せだった過去の時間、僅かな記憶の中にいる優しい愛する人たちが待つ処へだから戦う、最後の戦いを…もし途中で この身体が敵に砕かれたとしてもそれも運命この身体は涙を流す事も出来ない。 前線の小さなベースキャンプ地で私はまた、調整と修理をする。そうして、それから…「機械魔攻兵士c1247、.調整と修理は完了だ」「了解した」機械魔攻兵レイムスはまた剣と銃を手に取る。
last updateLast Updated : 2025-03-27
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第32話 コメディ 湯けむりの露天、温泉

チャポーン チャポン、チャポン弾く、水の音が心地よい〜白い湯けむりも良い感じ!ああ、温泉は最高だな、気持ちよく、ほぐれて身体も心もほどけてゆく気分し・か・もしかもだ!なんと、なんと!なんと混浴、いわゆる野外、自然の中にある露天風呂なのだ あははははっ僕は幸せだ!素晴らしい、神さま、ありがとうございます天にも昇る気分!最高だ!綺麗なおね〜様たち、綺麗なスベスベの肌に眩しい胸の大きな膨らみとかだ!なんて素晴らしい考えるだけで楽園か天国!綺麗で可愛いおねー様とか熟女の魅力の奥様とか愛らしいお嬢様たちとの混浴‥のはずだったがだか、しかし何故かいるのは…多分、後、二十年以上若いかったら‥と思う老年の、多分、昔は美人だったはずのご年配方になぜか御猿さんとか‥山の露天風呂、ああ、最高の自然の中…あああー!何故なの〜〜!そんな!「いやあ~坊ちゃん可愛いのおお」「ふおふぉおお」「若い子の肌はスベスベ〜じやなあ!ギャハハ」「きいいきききき」おサルさん達が何か言っている‥(T_T)しくしく「あ、坊ちゃん、温泉卵とか日本酒はどうかの?」「いやあ、ダメじやよ、未成年にお酒はだめだよお きゃはは」ご年配の方がに愛されているかもしれない 僕がいる あううううう。
last updateLast Updated : 2025-03-28
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第33話 ナイルの箱庭 皇帝のコイン

舞台は欧州のローマ、イタリアに住む従兄弟のもとに遊びにきた…まだ幼い子供だった頃の話それは懐かしい思い出の白昼夢ナイルの箱庭…皇帝の銀貨…あの時の銀のコインが今も私の手の中にある…あの束の間の思い出あれは夢、幻 ナイルの箱庭中世のローマ貴族の郊外の邸宅の庭、そこは沢山の噴水もあって小さな噴水が並ぶ小道で笑いあう 次には緑の迷路でかくれんぼで遊びルクレチア・ボルジアが嫁いた貴族の屋敷美しい場所の中、近くにはハドリアヌス帝の広大な別邸それから…僕の従兄、彼は言う歳上の従兄弟は笑いながら言うのだ「この近くに五賢帝の一人、ハドリアヌス帝の別荘跡地があるよ、遊びに行こうか」 歳上の従兄弟に誘われ、行ったのは…広々とした遺跡の跡地…円形のドーム型の泉やら建物の跡緑の野原で見かける数多くの彫像…其処にあるのは、まだ年若い青年像アンテオキア歳上の従兄弟に誘われ、行ったのは…広々とした遺跡の跡地…円形のドーム型の泉やら建物の跡、そして緑の野原で見かける数多くの彫像…まだ年若い青年像アンテオキアエジプトにも似た名前の都市がある…彼の名前から取ったものだと言う この遺跡のテイボリとは縁が深いハドリアヌス帝とアンテオキア従兄弟は、僕の顔をしみじみと覗き込み、呟いた…「そう言えば、似てるよね」「誰に?」「君が この彫像のアンテオキアに似てるギリシャ系で情感的で綺麗な顔立ち…柔らかな髪の毛とか…ふふ」愉しげに笑う従兄弟「このテイボリは彼の別荘跡地…あ!見てごらん」従兄弟の彼が指さすのは長方形の池 周りに白い彫像や柱の後がある…それからワニの彫像そこはナイル川のイメージで創られたもの…ナイルの箱庭さ‥‥「アンテオキアはエジプトのナイル川で溺れてワニに食べられたんだよ、本当かどうか…分からないけど…古代エジプトの人達はワニに食べられた人は神になるらしいって信じたってハドリアヌス帝は 嘆き悲しんで それから 愛する人へのモニュメントを沢山 作ったんだエジプトに神殿を作り それから・・新しい都市に 愛するアンテイキアの名を付けてそれでも まだ哀しくてこの巨大な別荘・・彼が廻った都市の箱庭にも 沢山 彫像を置いたのさ
last updateLast Updated : 2025-03-31
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ナイルの箱庭 皇帝のコイン 2

「ここ、ナイルの箱庭のワニの彫像に触れてごらんよ」「え?」僕が驚くと従兄がにっこりと笑って答えた。「そっとだよ」まるで念を押すように 静かな声で彼は言う。「ただし、左手の一指し指で…そっとだよ」「じゃないと、ワニが目を覚まして、君を食べられちゃうかもね」従兄は笑う言葉につられて、僕は其処にしゃがみこみ言われた通りに、左手の一指し指で、そっと ワニの尻尾に触れてみた「気を付けて…アンテイノーみたいに食べられないように…ふふ」奇妙な笑みまるで 道化師が悪戯をたくらむ 笑顔みたいに従兄の笑いに 戸惑いつつも僕は‥ワニの彫像に言葉につられて、しゃがみこみ言われた通り 左手の一指し指でそっとワニの尻尾に触れてみた「気を付けてアンテイノーみたいに食べられないように、ふふ」彼の奇妙な笑みまるで 道化師が悪戯をたくらむ 笑顔みたいに「え!」と驚き 従兄の方へ振り返った瞬間グオオオ・・という低いうなり声白いワニの彫像が 命を得たように動きだして大きな口を開けて、こちらを見ている従兄は言う「アンテイノーみたいに神になるかい?」「神として祀られるのかい?」蒼白な表情で僕は従兄を見る「神殿を建ててあげるねでも、ワニに食べられて生贄にならないといけないよね」
last updateLast Updated : 2025-03-31
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ナイルの箱庭 皇帝のコイン 3

「ねえ、気を付けて、アンテイノーみたいに食べられないように、ふふ」従兄の奇妙な笑みまるで 道化師が悪戯をたくらむ 笑顔みたいに…僕は…僕は…いつもと様子が違う従兄の笑いに戸惑いつつも僕は‥ワニの彫像に触れ「ここ、ナイルの箱庭のワニの彫像に 触れてごらんよ」「え?」「そっとだよ」「ただし、左手の一指し指でそっとだよ」 「じゃないと、ワニが目を覚まして君を食べられちゃうかもね」従兄は笑う言葉につられて、しゃがみこみ 言われた通り 左手の一指し指でそっとワニの尻尾に触れてみた「気を付けてアンテイノーみたいに食べられないように、ふふ」彼の奇妙な笑み まるで 道化師が悪戯をたくらむ 笑顔みたいに「え!」と驚き 従兄の方へ振り返った瞬間グオオオ・・という低いうなり声 白いワニの彫像が 命を得たように動きだして大きな口を開けて、こちらを見ている従兄は言う 「古代エジプトではワニに食われた者は神になるって」 「アンテイノーみたいに神になるかい?」蒼白な表情で僕は従兄を見る「神殿を建ててあげるね」 従兄の言葉と共に 彫像のワニ、ワニの彫像が動き出して、空を飛びながら僕を追いかけてきた。慌てる駆け出して走り逃げる。走り逃げ回る場所の風景は 遺跡でない、建物に それは白亜のギリシャ風の神殿のような場所に変わっていた…。ワニは まるで水の中で泳ぐような動作で 宙に浮かび川の中で獲物の魚を追い回すかごとく僕を追い回す豪華な建物の彫刻の施された柱にぶつかり大理石の床に倒れこむ… ゆらり…倒れこんだ僕に気がつかず立ち去る白いワニ… 「助かったのかな」半ば泣きながら…安心して一息白い大理石の床 大部分が白い大理石をメインにしながらもまるでモザイクで飾るように 色違う石が埋めこまれ幾何学的に飾られているとても綺麗だった 何か小さな物が落ちている…小さな光で煌めき「何かな?」手に取ると銀色のコイン  月桂冠の冠にギリシャ風古代の衣を纏う男の横顔 昔の貨幣だこれは古代の皇帝?すると今度は 柱の向こうから男が現れた....
last updateLast Updated : 2025-04-03
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ナイルの箱庭 皇帝のコイン 4

手に取ると銀色のコイン月桂冠の冠にギリシャ風古代の衣を纏う男の横顔昔の貨幣だ古代の皇帝かな?柱の向こうから男が現れた白髪交じりの髪に長い髭 古代ローマ時代の衣装効果で豪華な金細工の飾りを身にまとってる畏怖堂々たる姿「ここはテイヴォリでも 他の者が立ちいる事が許されない場所何者だ?」男は話ながら僕を見つめひどく驚いた顔をするアンテイオキア…「アンテイノー」僕を抱きしめる「いいや、アンテノーがこんな子供であるはずがない出会った頃は、まだ子供だったが…そう」「だが、なんと、よく似ている」涙が浮かんだ その瞳珍しい異国の服装をしてる、どこの国の使節の妻子かな?心配はいらぬ、身内を探すから」彼は微笑んだ美しい広大な庭園を歩き出す 静かに 互いに話を交わし合うそれから あのナイル川のワニのいるモニュメント近くの椅子に腰掛ける懐かしい大切なものを見るように 見つめる瞳とても変わらずに切なげに、寂しげにそれは束の間の対話だった。広大で壮麗な別邸 ヴィラ・アドリアーナそこは見事な建築美の溢れた 小さな宮殿のようだった。後で僕は知る事になるけれど 建築学に優れたハドリアヌス帝が作り上げた 当時としては最新技術で 現在でも大きな基礎となったドーム様式に 旅した世界各地の建物 あるいはオリエント風の建物従える異国、条約を結んだ国々 異国の大使達に 気のあった高位の者達人々をもてなす為に用意された大きな湯浴みの為の建物計算された美学 その美しさだった。中には 円形の泉の中にある小さな劇場共に歩いて、たわいもない会話を楽しんで…。 
last updateLast Updated : 2025-04-03
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