「20年前からメアリーは、あの少女の姿のままだ」 「最初に会った時には、この村に来て一緒に聖歌隊で歌を共に唄っていた ワシの方が少々背が低く会うときには、厚底の靴を履いたもんさ」 「次に会った時には、二十歳過ぎの時、パリの街角だった」 「彼女はこう言ったさ」「私を誰かと間違えておられるのかしら?」それとも叔母かお祖母さんによく似てると言われるの なんて・・ね、 ハンス、明日の向こう側で、また会えたわ」「そういって、 彼女はにっこりと笑いかけてくれたよ」 シュ…と、パイプにマッチで火をつけて、お祖父さんはゆっくりと煙を漂わせる。 「パリでは、馬車に跳ねられそうになった所を助けてくれたよ他にも何度も危ない所を助けてくれた 不思議な少女さ」お祖父さんの言葉通り皆があのメアリーの事を忘れていた…「また会えるかな」「会えるさ」お祖父さんは言ったそれから月日が過ぎ去り…第一次大戦僕は部隊に入り戦地に向かうみんなは…僕らは戦争の事などわからずにまるで、呑気に陽気に戦地に行った。砲弾が飛び交い掘った穴に入り、銃で闘う雨や雪で寒さに震えただ必死で…包帯の巻かれた傷口はズキズキと痛むライフルを握り 意識が遠くなりかける。「ヨハン」懐かしい少女の声彼女がそっと傷口に触れる「メアリー」いるはずのない少女何故そこに!彼女は微笑んで立っている「まだ、そのマフラーを持っていたの?」彼女がくれたマフラーを指さす「少々くたびれて、汚れてるわ 新しいマフラーに手袋よ」「ねぇ今日はクリスマスよ、あの頃、歌った歌の1つ」彼女は静かに‘‘きよしこの夜‘‘を謡だす僕もその歌を謡だすすると…他の兵士もつられたように同じく‘‘きよしこの夜‘‘のメロディーを歌う不思議な事に 皆が‘‘きよしこの夜‘‘を合唱して…戦地に歌声が響き渡る風に流れて この曲に呼応して返礼を返すように 向こう側の兵士もこのクリスマスの曲を謡だすやがて豪から出て 皆が敵も味方も手を取り合う今、この時だけは…「メアリーがいない 女の子がいなかったか?」「? なんの事だ?誰もいないよ」他の兵士が答える残されたのは傍に新しいマフラーと手袋それはクリスマスの奇跡と呼ばれた出来事の日人の世に平和と慈しみと優しさがあります事を…メリークリスマス
Last Updated : 2025-02-17 Read more