「成程、引きこもりですか……?」オリビアは吹き出しそうになるのを必死に堪えながら頷く。何しろ王宮騎士団に入れるのは、全員貴族と決められている。国王直属の騎士になるのだから、当然と言えば当然のこと。その貴族たちの前で恥をさらされたのだから、ダメージは相当のものだろう。王宮騎士団に入団すると言うのは、大変名誉なことだった。高学歴も必要とされ、大学を卒業見込みの者がまず試験を受ける権利を貰える。脳筋バカでは国王に仕える者として、失格なのだ。毎年入団試験を受ける者は1000人を超えると言われている。まず、最初の筆記試験で半数が落とされ、剣術の実技試験で更に半数。最後の面接で半数が落とされると言われている。「お兄様、正直に話して下さい。いつの段階で、裏金を支払ったのですか?」未だにグズグズ泣くミハエルに静かに尋ねるオリビア。「グズッ……そ、そんなの決まっているだろう? 筆記試験の……段階で、金を支払ったんだよ! 裏口入団に顔の利くブローカーを見つけて……ウグッ! 悪いとは思ったが、家の金庫に深夜忍び込んで……ウウウウッ! 後で返済しようと思って……ヒグッ! 拝借したって言うのに……何も、何もあんな大勢の前で俺を糾弾して、排斥することはないじゃないか! せめて、人目のつかない所でやってくれればいいのにぃぃっ!! 俺はもう駄目だ!! 引き籠るしかないんだよぉおおおっ!! 誰だっ!! 密告した奴は!! ちくしょおおおお!!」年甲斐もなく涙を流しながら吠えまくるミハエルに、もはやオリビアは呆れて物も言えない。(密告したのは私だけど……それにしても呆れたものだわ。実力も無いのに、王宮騎士団に入ろうとしたのだから自業自得よ)けれど、これではうるさすぎて堪らない。そこでオリビアはミハエルを慰めることにした。「落ち着いて下さい、お兄様。確かに恥はかいてしまいましたが、私はこれで良かったと思いますよ?」「何でだよ!! 何処が良かったって言うんだよぉお!!」「だって、考えてみて下さい。お兄様は実力も伴わないのに、高根の花である王宮騎士団に入ろうとしたのですよ? 仮にこのまま騎士になれたとしても、いずれすぐにボロが出て不正入団が明るみに出ていたはずです。もしそうなった場合、国王を騙した罰として、不敬罪に問われて処罰されていたかもしれませんよ?」「な、何……不敬罪…
Last Updated : 2025-02-24 Read more