もちろん、篠田初の調子も良いわけではなかった。今は拗ねている場合ではなく、彼女も自分の気持ちを落ち着けようと努力していた。「よし、それじゃあ、先に支度して、後で一緒に病院に行こう」二人はそれぞれ別々の浴室に入って、さっと身支度を整えた。気まずいことに、二人ともここに住んでいないので、着替えの服がなく、仕方なくバスタオルを巻いて出てきた。篠田初は浴室から出ると、適当な服を探して着ようと思った。松山昌平も同じことを考えていた。そして、二人はこうして気まずく出会った。松山昌平は篠田初を堂々と上から下まで眺め、湿った髪からピンク色の足の指までじろじろ見た。篠田初は......彼より大胆で、見終わった後、手を出したくなるほどだった。「松山昌平、最近またジムに行ったの?この腹筋のライン、もうトレーナーに近いじゃない」彼女はつい、以前「四肢麻痺、ベッドに寝たきり」の松山美男の世話をしていた時、触り放題の日々を思い出した。松山昌平は眉を上げ、少し冷たく言った。「君も、思っていたよりも体型がいいな。ただ、お腹がちょっと大きくなったね。ダイエットした方がいい」篠田初は呆然とした。やはり、この男はろくなことを言わない。今二人の赤ちゃんを妊娠しているから、お腹が大きいのは当然だろう!それにしても「思っていたより体型が良い」とは、まるで一度も見たことがないみたいな言い方だ!二人が服を探して着る準備をしていると、松山昌平の母、柳琴美が怒気をあらわにしてやって来た。彼女は元々怒っていたが、松山昌平と篠田初がこんなにも服を乱し、これから「楽しむ」つもりだと見て取ると、さらに怒りが湧き上がり、その場で吐血しそうなほど激怒していた。「あんたたち、また一緒になったのね!」柳琴美は守るように松山昌平の前に立ち、篠田初を指差して言った。「あんた、この疫病神、恥を知りなさい。うちの息子はもうあんたを追い出したのよ。まだこんな恥知らずな格好で誘惑してるの?」篠田初は、うるさくて痛くなったこめかみを揉みながら、頭を抱えた。この元姑は、本当に強勢だ。声はまるで鐘音のように大きく、鼓膜が壊れそうだ。「柳さん、誰が誰を誘惑したのか、ちゃんと確認してください。私だってちゃんと全身を隠してるよ。でも彼はどうなの......バスタオル
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