森岡翔は山下美咲と彼女のルームメイト3人を連れてカラオケを出たところで、あることに気づいた。このスポーツカーは二人乗りで、あと三人いるのにどうしよう?結局、森岡翔は仕方なく彼女たちを近くのホテルへ連れて行った。最初は一人ずつ部屋を取ってあげようとしたのだが、彼女たちは怖がって一緒に泊まりたいと言い張り、結局森岡翔はスイートルームを二つ、彼自身が一部屋、残りの四人が一部屋という形で取った。彼女たちの部屋を手配した後、森岡翔は自分の部屋に戻ってシャワーを浴びた。ベッドに横になり、先ほど起こった出来事を思い返すと、今でも少しゾッとする。美咲に何もなくて本当に良かった。そうでなければ一生後悔していただろう。もし今日、SCCに入っていなくて、近藤強と知り合っていなかったら、おそらく面倒なことになっていただろう。だから彼も悟ったのだ。どうせ使い切れないほど金があるし、神豪ポイントも必要だ。だったら、どんどん金を使って友達を増やそう。友達が多いほど道は開ける。いつ誰の助けが必要になるか分からない、今日みたいにね。そう考えた森岡翔は、近藤強に電話をかけた。「森岡さん!妹さん、大丈夫だったか?」電話口の近藤強が尋ねた。「彼女は大丈夫です。今日のことは近藤さんのおかげです。今後、私にできることがあれば何でも言ってください」「森岡さん、そんなことないよ。むしろ俺にも責任がある。俺の店で妹さんに怖い思いをさせてしまって申し訳ない」「近藤さんには関係ないですよ、彼女が警戒心が低すぎたんです。そういえば、近藤さん、今後お金が必要なプロジェクトがあれば、私に声をかけてください。投資しますよ。経営には一切口出しません。株主としてだけ関わります」森岡翔のその言葉を聞いて近藤強は内心喜んだ。まさにこれが、彼が森岡翔と親しくなりたいと思った理由だった。SCCに2200億も寄付して会員ランクを上げるなんて、森岡翔の資産は計り知れない。これはもはや普通の金持ちのレベルではない、間違いなくトップクラスの富豪や大財閥に匹敵する実力だ。こんな人物と親しくなれば、百利あって一害なしだ。「森岡さんがそこまで言ってくれるなら、実はちょうどいいプロジェクトがあるんだ。明日の夜、湖心クラブでチャリティー晩餐会を開くんだが、そこで話さないか?」
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