「そんな嬉しそうに笑っちゃって、旦那さんからメッセージでも届いたの?」牧野明凛は親友をからかって言った。親友と結城理仁の間に少し進展があったので、牧野明凛も自分のことのように喜び、早く二人の結婚式でブライズメイドになりお祝いしたいと思っていた。「うちの客間にはまだベッドやクローゼットがないんです。彼が最近ボーナスが出るから私に三十万円送金してくれるそうで、そのお金でベッドとか、クローゼットとかシーツなどの必要な物を買いに行ってきます。清水さん、昼食の後、陽ちゃんのお昼寝が終わったらあなたを連れて買い物に行きますね。必要なものをご自分で選んでください」清水は笑って言った。「私は適当な人なんです。特に選り好みはしませんし、住む場所さえあれば十分ですよ」「それでも適当になんてできませんよ。気持ちよく暮らしてもらわないと。雇い主がお金を出すって言っているんですから、遠慮せずに良い物を選びましょう」内海唯花はベビーシッターの清水の働きがとても良いなら、長期契約をして、一緒に住み家族同然のように暮らそうと思っていた。それで清水には義理を欠くような真似はできないのだ。時間を確認し、内海唯花は神崎姫華に尋ねた。「姫華、ここでご飯食べてく?」神崎姫華は今後二度とスカイロイヤルホテルに行って結城家の御曹司を待ち伏せすることはないし、家にも帰りたくなかったので遠慮せずに答えた。「うん、ここで食べていくわ」それで内海唯花は清水に頼んで一人分多めにご飯を作ってもらった。「内海さん、それじゃあ、私はご飯を作ってきますね」内海唯花は甥っ子がおもちゃで楽しそうに遊んでいるのを見て言った。「お願いします。私が陽ちゃんを見ていますから」清水はキッチンに入ると、急いで携帯を取り出して結城理仁にメッセージを送った。「若旦那様、神崎さんがいらっしゃいました。奥様は彼女に一緒にご飯を食べるように言って、神崎さんもここにいることになりましたよ」結城理仁は会議が終わった後、すぐに内海唯花に送金した。そして重要な書類をいくつか処理した後、整理してまた早めに休憩時間に入り、店に行って妻と一緒に昼食を取ろうと思っていた。その矢先に清水からのメッセージが届いた。結城理仁はその瞬間、まるで冷水を浴びせられたかのように、全身が凍り付いた。「神崎姫華、お前は本当に
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