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第22話

著者: リリ
last update 最終更新日: 2024-12-25 11:19:30
朝栄画廊の開業式典の日。

多くの財界の重鎮たちが会場に集まっていた。

杯を交わす中、汚れた服装の子供が私に向かって一目散に駆け寄ってきた。

「ママ、会いたかった......聡を捨てないで」

「叔母さんを妬んで潰そうとするなら、聡は何も言わない」

「でも僕はママの子供なのに、利益のために僕まで見捨てるなんて」

聡だった。

彼の出現に、周りから囁き声が漏れ始めた。

「深山さんはなんて薄情な人なんでしょう。妹と争うだけでなく、自分の子供まで捨てるなんて」

「ビジネスで人情を欠くなんて、誰が彼女と提携しようと思うでしょうか」

私は冷ややかに笑い、彼の後ろで得意げな表情を浮かべる優子と母を見た。

優しくも通る声で聡に告げた。

「実は私はあなたのママじゃないのよ。信じられないなら、自分で見てごらん」

私は携帯の動画を見せようとしたが、

誤って会社の大スクリーンに映してしまった。

画面には十六歳の優子が妊婦の姿でアメリカの病院で検診を受ける様子が映っていた。

次に聡の出生証明書が映し出され、実の母親と出生時間が明確に記されていた。

場面が変わり、三年前の聡の養子縁組証明書が映った。

私は、ただの養母に過ぎなかった。

「違う!違うわ!!」

長年保ってきた清純なイメージが崩れ去り、

優子は完全に取り乱した。

母が飛びかかってきて私を叩こうとした。

「妹じゃない。どうしてそこまで彼女を潰そうとするの?」
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