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第0044話

廊下はしばらく沈黙に包まれていた。

長い間沈黙しているのを見て、綿はゆっくりと頭を下げた。

輝明は彼女の顔が見えなかったが、その小さな声が聞こえた。

「私が、おばあちゃんを利用してあなたを引き留めるのを怖いの?」

輝明の目が一瞬鋭くなった。説明しようとしたとき、病室からおばあちゃんの声が聞こえてきた。

「綿ちゃん……」

綿は病室を覗き込み、「おばあちゃんが目を覚ましたみたい」と言った。

そう言って、輝明を避けて病室に入っていった。

秀美はおばあちゃんを起こして、ヘッドボードに寄りかからせた。美香は綿を見つめて心が痛んだ。

輝明も綿の後ろに続いた。

二人が一緒に現れるのを見て、美香の心はさらに痛んだ。

ついにここまで来てしまったのか。

離婚するというのか。

綿はベッドの脇に座り、美香の髪を整えながら、優しく聞いた。

「おばあちゃん、具合はどうですか?」

美香はその手を握り、悲しそうに尋ねた。

「綿ちゃん、おばあちゃんの誕生日を忘れていないよね?」

綿はすぐに微笑んだ。「おばあちゃん、何を言ってるのですか?誕生日を忘れるわけがないでしょう」

美香は彼女をじっと見つめ、さらに尋ねた。「じゃあ、どうしておばあちゃんの誕生日パーティーに来ないの?」

「おばあちゃん、それは……」綿は言葉に詰まった。

「輝明と離婚したら、もうおばあちゃんはいらないの?」美香の声はますます悲しそうになった。

綿の心は痛んだ。

普段、おばあちゃんは本当に優しくしてくれて、まるで姉妹のように接してくれた。

輝明のために、この家族全員を捨てるのは本当に価値があるのかと思った。

しかし、これは輝明の家族だ。将来、嬌がこの家に入ったら、彼女の家族になるのだ。

「綿ちゃん、おばあちゃんは今まで何もお願いしたことはないよ。おばあちゃんの誕生日パーティーに来てくれないと、安心できないよ」美香の声はますます弱々しくなった。

綿の心は揺れ動いた。

視線は無意識に輝明に向いた。

おばあちゃんの誕生日パーティーの日、彼は嬌の腕を挽いて出席するのだろうか?

それなら、綿はまるで笑い者ではないか?

突然、輝明が近づいてきて、おばあちゃんの毛布を整えながら言った。「
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