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第225話 三井家の姫に手を出してはいけない

驚きの声が響き渡る中、陽葵は気を失ってしまった。

部屋の外では、監視カメラを通じてその一部始終が監視されていた。

助は冷たく微笑み、その目に浮かぶ嘲笑の意味は明らかだった。

「この蛇は毒がないのに、ここまで怯えるなんて」

悠希は続けて言った。

「女の子は皆蛇が怖いものだよ、たとえそれが普通のシマヘビでもな。今日はまだ始まりに過ぎないんだ」

「これから毎日、一匹の蛇を部屋に放って、どこまで耐えられるか見ものだな」

「我々の鈴ちゃんに手を出したんだから、彼女を狂わせるくらいでなければ、その行動に見合わないだろう」

「……」

助は寒気を感じ、体中に鳥肌が立った。

「まあ、計画通りに進めよう」

鈴は陽葵には目もくれず、彼女を二人の兄に任せた後、病院へと戻って、仁のそばに付き添った。

実際、仁の状態はそれほど悪くはなかった。

ただ、両家の親に勧められ、半月の入院生活を経てようやく退院した。

フランスに滞在していた鈴は、浜白での出来事を知らなかった。

最後は助がネットで見つけたニュースを彼女に見せた。

「ほら、今回のショーは大成功だったぞ」

「そうなの?」

鈴の目に一瞬の輝きが宿り、彼から渡されたアイパッドを手に取った。

「見てみろよ! 国内メディアもこぞって報じてるし、国際的にも大きな話題だ。ネットのコメントも90%が好評だよ。帝都グループも今回のショーで注文が殺到してるんじゃないか」

鈴は彼の言葉を聞きながら、ニュースを見ていた。

確かに、専門家も国内外のネットユーザーも今回のショーを非常に高く評価していた。

言うまでもなく、今回のショーは異例の成功を収めた。

「……素晴らしい! 我々はただのファッションショーを開催しただけでなく、文化を外に伝播し、大成功を収めたんだ!」

「その通り、鈴ちゃんは最高だね」

助の賛辞に、鈴は嬉しそうに微笑んだ。

「助兄さん、ありがとう。これからも頑張るから」

その言葉が終わると、鈴のスマートフォンが鳴り始めた。着信番号を見て、鈴はすぐに真剣な表情になった。

助が興味深そうに尋ねた。

「誰から?」

鈴は彼に答えず、電話を取り、敬意を込めた態度で話した。

「熊谷教授!」

熊谷教授は鈴の声を聞いて、ようやく心の中の不安が解消された。

「鈴ちゃん、火事に巻き込まれたと聞いたが、大丈夫か
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