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第224話 松本陽葵の罰

「それでいい、極刑にしても構いませんので、この件については君たちにお任せします」

三井家と田中家は共識に達した。

松本陽葵の運命はすでに決まっていた。

陰暗で湿った部屋の中。

陽葵は手足を完全に縛られ、目には黒い布を覆われ、口には臭い靴下が詰め込まれ、言葉を発することはできず、ただ「ううう」と呻くしかできなかった……

その時。

陰暗な部屋のドアが開き、一歩一歩の足音が彼女に近づいてきた。陽葵はその気配を感じ取り、必死に体をもがき、口から「ううう」と求めるような音を立てた。

鈴はその場に立ち、高い位置から冷たい目で彼女を見下ろし、ついに口を開いた。

「……私、鈴」

声が響くと同時に、陽葵の動きは止まった。

彼女は鈴の方向を見つめたが、何も見ることができなかった。

鈴は手を伸ばし、黒い布を外した。すると、陽葵の瞳には恐怖が満ち、体が震え続けた。

鈴は冷たく笑った。

「どうした?怖くなったの?火を放ったときはどうして怖がらなかったの?」

陽葵は首を振った。

恐怖から涙が止まらず、目にいっぱいになって流れ落ちた。

鈴は少しも情け容赦なく、彼女の口から臭い靴下を取り出し、陽葵は震える声で言った。

「……鈴、私が悪かった。お願い、許して、許して……」

鈴は笑った。

だがその笑顔には全く温もりがなかった。

「許す?昔のあなたはどうして私を許さなかったのかしら?」

陽葵は明らかに鈴の命を狙っていた!

あれほど大きな火事だ。

もし救助が間に合わなかったら、彼女たち全員が火の海に呑まれていた。

今更、彼女を許せというのは夢の中の話だ。

「鈴、わざとじゃなかったんだ。ただ怒りに任せて、ただお仕置きを与えたかっただけ。

「それ以上のことを考えるつもりはなかった。許して、お願い……

「もうここにいたくない、ここにいたくないの……」

ここにいると、毎日何匹のゴキブリやネズミが這ってきたか分からず、暗く腐った匂いが鼻に充満していた。

これは殺されるよりも辛かった!

「ふん、まだこの程度だ。幸はお前のせいで肺炎になり、今もまだ病院で治療中よ。

「仁兄は背中が二度熱傷、腕に数え切れないほどの傷ができてしまった。すべてお前の仕業だ。

「私の友人や家族に傷をつけたのに、君を許せと言うの?

「松本陽葵、自分が何様だと思ってる?」

陽葵はひ
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