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第227話 皮肉された

陽翔は彼女の言うことを聞いて初めて、彼女がフランスを離れることに同意した。

浜白に戻ると、鈴は最初に熊谷教授を訪ねることにした。

浜白大学、教授のオフィス。

現在、熊谷教授は数人の学生と一緒に、鈴が今回のファッションショーで発表した作品を観察していた。

「……熊谷教授、今回のファッションショーがこんなに成功したのは、主力デザインに大きく関係していますね」と熊谷教授の学生である周防智が言いた。

熊谷教授も同意した。

「はい、今回のデザインは本当に素晴らしく、私たちの学部もすでにいくつかの海外の大規模なショーからの招待を受けています」

「本当ですか?先生!それなら私たちも海外でショーを見るチャンスがあるかもしれませんね?」と別の学生の目が輝いていた。

「もちろんです!ただし、このチャンスを得るのは非常に難しいです」

「以前、国際ファッション界は私たちの作品を非常に嫌って、蔑み、私たちのデザインが国際的なトレンドに合わないとさえ言われていましたが、今やようやく自分たちの実力を証明できました」

「ワクワクしてきた」

「……」

20代前半の大学生たちは皆興奮していた。

しかし、一人だけ、顔に喜びの色が全くなく、むしろ嘲笑の表情を浮かべていた。

「この程度のデザイン、普通すぎて全く特長がない、どんな目をしているのかわからないな」

この言葉が出ると、一瞬で周囲が静かになった。

「山本、どういう意味だ?私たちのデザインを評価できないのか?」

山本弘と呼ばれた人物は「ふん」と不満そうな口調で言いた。

「このデザインのレベルは岩本先輩と比べて明らかに劣っているし、熊谷教授、あなたがどう考えているのか分からないが、なぜ彼女が今回の主設計者に選ばれたのか理解できない」

岩本美穂子の名前が出ると、熊谷教授の顔色が急に険しくなった。

他の人たちも美穂子の件を聞いていたので、皆沈黙になった。

「山本、ちゃんと喋れないのなら、その口を閉じろ」

「誰もが君が岩本先輩を慕っていることを知っているが、この件に関しては岩本先輩が明らかに間違っていた」

「それを認めるべきで、偏袒してはいけません」

「君たちは何も分からない。岩本先輩に何か間違いがあったのか?彼女の能力がその鈴より劣っているとは思えない。それなのに熊谷教授は偏見を持って、彼女にチャンスを与えなか
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