第166章 証拠は？

小泉由香里は言いながら、安田遥を一押しした。

安田遥もその機会を利用して、急いで言った。「私は大学4年生で、先生の大学院を受験するつもりです。ぜひ先生と一緒にデザインを研究したいです」

熊谷教授はその意図を理解し、励ました。「頑張ってください」

そう言って、彼は周囲の人々に囲まれながら去っていった。

小泉由香里は熊谷教授がそう言ったのを見て、心の中で興奮し、安田遥に言った。

「遥、これで決まりよ！絶対に大丈夫！あなたは頑張って、ママを失望させないでね！」

安田遥は嬉しそうな顔をしていた。

「安心して、ママ！私には実力があるから！」

熊谷教授の大学院生、彼女には問題ないはずだった。

しかし次の瞬間、三井鈴が暗い顔をして近づいてきた。

なぜか安田遥は本能的に逃げたくなった。

「話がある！」

この簡単な四字の言葉には、無形のプレッシャーが含まれていた。

安田遥は三井鈴を無視したいと思った。

そのまま振り返って去ろうとしたが、三井鈴に手首を掴まれた。「どうした？心の中で何か引っかかっているのか？」

横にいた小泉由香里は、三井鈴が安田遥を掴んでいるのを見て、急いで駆け寄った。

「三井鈴、何をしているの！遥を放して！」

三井鈴は彼女に構わず、安田遥を見つめた。「一度だけチャンスをあげる、二人で話そう？」

周囲の人々は好奇の目を向けていた。

安田遥は深呼吸し、妥協せざるを得なかった。「ママ、大丈夫！彼女と少し話があるから……」

「でも……」小泉由香里は心配そうに言い、三井鈴を睨んだ。「あなたとこの女と何を話すの？きっと何か悪いことを隠しているに違いないわ」

安田遥は安心させるように言った。「大丈夫、心配しないで！みんな見ているから、彼女も私に何かすることはできないわ」

三井鈴はその言葉を聞いて、嘲笑した。安田遥はますます心虚になり、両手を無言で服の裾を掴んだ。

二人はホールの出口を出て、廊下に出た。三井鈴は足を止めた。「安田遥、あなたはどうやってそのデザインを手に入れたの？」

安田遥の心はドキッとした。

結局、来るべきものが来た！

しかし今、原稿は彼女の手の中にある。三井鈴はそれが彼女のデザインだと知っても、証明することはできない。だから安田遥は硬い表情で言った。「あなたが何を言っているのか分からない」

三井鈴は冷たく鼻を鳴ら