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第12話

冬城だけが、浅井みなみに騙される。

結局のところ、冬城は浅井みなみが好きなので、この側面をはっきりと見るのは難しい。

「まあ、大したことじゃないし、今日も授業があるから、まず彼女を学校に送っていくよ」

冬城は浅井みなみに立ち去るように目配せした。

浅井みなみは感謝の表情を浮かべていた。

冬城おばあさんは冷淡に言った。「今日は真奈と一緒に買い物に行くの。あなたも忙しくなさそうだから、一緒に来て」

「でもみなみ……」

「中井さんに行かせてください。あなたは堂々たる冬城氏の総裁なのですから、身分にふさわしくないことはしないでください」

冬城おばあさんの言葉はすでに口に出ていた。

浅井みなみは唇を噛みしめて言った。「冬城総裁、中井さんが学校まで送ってくれるので大丈夫です。冬城司を怒らせないでください」

浅井みなみは礼儀正しく冬城おばあさんにお辞儀をした。

冬城おばあさんはこのようなことには感謝しませんでした。

冬城は唇を引き締めて言った。「送っていくよ」

浅井みなみは小さくうなずいた。

冬城が浅井みなみを送り出すのを見て、冬城おばあさんは真奈に向かって言った。「司は若くて、こういう小さな狐に簡単に騙されてしまう。あなたももっと気をつけるべきだ」

真奈は、表面上はうなずいたが、心の中ではこの二人の進展がもっと早くなることを望んでいた。

「最近、あなたが司にかける労力が減ってきていることに気づいたわ」冬城おばあさんは真奈の手を取り、「早く司の心を掴まないといけないわよ。少なくとも白くてぽっちゃりした男の子を産むの。子供を産めば、男の心をつなぎ止められるわ」と言った。

「かしこまりました、おばあさん」

真奈は笑顔で応じた。

実際には冬城の心を掴むどころか、子供を授かることさえも全く不可能だ。

冬城は彼女のことが好きではなかったので、結婚しても二人は一度も同じベッドで寝たことがない。子供がどこから来るのだろう?

前世、彼女は苦労して冬城の子供を身ごもったが、冬城の目には、浅井みなみ以外の誰も彼の子供を持つ資格がないように見えた。

彼女はまだ27歳で、難産のため手術台で悲惨な死を遂げた。

そして最後の瞬間、冬城は彼女が早く死ぬことを切望していた。

このことを考えると、真奈の心には大きな石が重くのしかかっているように感じた。

冬城おばあ
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