第14話

冬城の顔色は良くなく、冬城の体が硬直しているのを感じた真奈は、無理やり入り込んだ。

ただ部屋の中の明かりが薄暗く、リビングにはいつの間にかキャンドルライトディナーが用意されていた。

真奈はこの光景を見た後、顔色も変わった。

考えるまでもなく、これは冬城おばあさんの意向だ。だからこそ、商場を出た後に冬城おばあさんが冬城に家まで送ってもらうように頼んだのだ。なるほど、そういうことだったのか。

「真奈、お前は本当にすごい」

「私じゃない」

真奈は説明しようとしたが、冬城はすでに手に持っていたものを地面に投げ捨て、振り返ることなく冬城家を去った。

冬城が家を出ると、車がすでになくなっていた。

この光景を見た真奈は冬城おばあさんの意図を完全に理解した。今夜、彼女と冬城が一緒に寝なければ、冬城おばあさんはおそらく諦めないだろう。

「無駄な努力はやめなさい」真奈は言った。「今夜はあなたがリビングで寝て、私は寝室で寝るわ」

冬城は冷たく真奈を一瞥した。「いたずらをするなと警告しておく」

言い終わると、冬城は家の中に入った。

冬城の目に映る彼女への嫌悪を見て、真奈はただ自嘲的に笑った。

見ろよ、真奈、これが、君が冬城を好きになった結果。たとえどれだけ冬城を好きだったとしても、冬城の目には、君は卑劣な手段を使う女に過ぎない。

彼女は知らなかったが、冬城の目には、彼女がこんなにもみじめに映っていたとは。

真奈はテーブルの前に歩み寄り、テーブルいっぱいの夕食を見つめた。

たとえ冬城の食欲がなくても、彼女は冬城おばあさんと一日中買い物をして、とても疲れていた。

「本当に食べないの？」

「食欲がない」

冬城はソファの上に座って新聞を読んでいた。

真奈もただの社交辞令で、彼女はすでに食事を始めていた。

真奈が彼を無視しているのに気づいた冬城は、すでに食事を終えて頭を上げた。

彼はいつも真奈が以前とは少し違うと感じていたが、どこが違うのかはうまく言えなかった。

冬城の視線に気づいた真奈は顔を上げて、「食べたいの？」と尋ねた。

「食べない」

「じゃあ、なんで私を見てるの？」

「……」

冬城は視線をそらした。

変わった、もっと嫌いになった！

真奈は携帯電話の時間を一目見た。

彼女は今日、黒澤と会う予定だったが、冬城おばあさんの件で約束を果たせ