第73話

「本来はあと数年隠れるつもりだったのに、あなたが現れたことで、私の考えが根本から変わった」

上野研介が歯を食いしばって言った。

外勁の達人が函館市のような小さな場所であれば、もう王として君臨するに足りる。

そして内勁の達人はもっと珍しいもので、軍隊でさえ将軍の肩書きを担うことが出来る！

これこそが上野研介の虎門が函館の三巨頭を無視し、狂ったように拡大していく最も重要な理由だ。

本当に彼は内勁大円満に到達し、あと一歩で内勁を突破し、大宗師になることができた。

その時には、たとえ函館市で最も恐ろしい勢力の古武家族であっても、彼は目に入らない。

「私は函館の王になる男だ。今日はあなたの首を私の第一歩の踏み台として使わせてもらう」

上野研介の顔色は険しいものだったが、先に伊吹嵐を殺してから、陰山翔太を殺すつもりだ。

乱れた髪の春名沙織は地面に伏せて、さらに狂喜の声で言った。

「上野さん…彼を殺して…財団の株の一割を君にあげる。

「彼を切り細裂いた」

「問題ないよ」上野研介は圧倒的な威圧を放ち、近くの壁にもクモの巣のような亀裂が現れた。

伊吹嵐に迫る一歩一歩、高いところから言った。

「感じたかい？私たちの間の、その越えられない力の大きな溝を！私はお前にこの世の最も恐ろしい絶望と恐怖を味わわせる」

「足元に狠く踏みつける！あなたなんてちっぽけなアリ…うっ」

上野研介が話しているうちに、突然顔色が変わり、鮮血を吐き出した。

再び見ると、前の伊吹嵐が大きく変わっていた。

「いつから、地面を這うアリが象を嘲笑するようになったんだ」

上野研介の目に映る伊吹嵐は、突然、取るに足らないアリから巨大な存在へと変わった。

彼の瞳孔は瞬時に無限に拡大し、声が震えて言った。

「この気配は、外勁、いや内勁、私と同じだ！違う、私よりも」

伊吹嵐のレベルが次々と突破した。

大宗師、至尊宗師、至尊大宗師…

彼の力がまるで広大な宇宙のように深遠で測り知れない。

「ああ、これは不可能だ！これ全てが嘘で、幻覚だ」上野研介がメンブレして、信じられないほど騒いだ。

「これが幻覚かどうか試してみろ」

伊吹嵐が平手打ちをして、すぐに10レベルの台風を巻き起こした。

その場で上野研介を吹き飛ばし、廊下の端に打ち付けた。

万豪ホテル全体が一瞬にして半分崩壊した。