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第68話

話が終わると、場内は一瞬にして人々の声で賑わい、全ての視線が東田智子に集中し、小声で噂し始めた。

まさか、泥棒があの絶世の美人だったなんて!人間は姿かたちだけではわからない。

東田智子は顔色が蒼白になり、

「私はそもそも『碧洋のハート』なんて全く知らないし、見たことさえない、どうして私が盗んだことになるの」と言った。

「信じないなら、達下さんが私の為に証言してもらえますよ!彼はずっと私の側にいた」

言い終わると、東田智子が振り返り、興奮して、「そうだろう?達下さん」と言った。

しかし、達下秀樹は既に姿を消していた。

東田智子は瞬時に雷に打たれたような感覚に襲われ、寒気が頭から足の裏まで広がった。

彼女はふと思い出した。達下秀樹が以前自分のバッグを触ったことがあるんだ。もしかして彼がやったの?

相手が姿を消したことを思い出し、彼女は恐ろしい考えが頭をよぎった。これは罠だった。

一方、春名沙織は怒りで激昂し、人々を連れて歩いてきて、怒りに満ちた目で言った。

「東田さん、人証や物証がもう揃っていた。まだ抵抗するつもりか?」

「全員が目の前で、『碧洋のハート』があなたのバッグから見つかったよ」

そして、その時、上野研介も立ち上がり、ベラベラとしゃべり続けた。

「東田さん、あなたが商界の新星として尊敬していた。それでなんとか虎門の縄張りに入れてやったが、君はこんなことをするとはおもわなっかた」

「春名さん、主催者として私は申し訳ありません、これから東田智子に対して何をしても、私たち虎門は手を出しません」

全てが事前に計画されたように次から次へと進んでいる。

東田智子は顔色を変えて、「時間をください、私は証拠を見つけて自分の清白を証明します」と言った。

しかし、その時、人々は皆、彼女に対して反逆した。

「東田さん、ここに至った以上、認めるんだ。可能な限り寛大な処置を講じよう」

「そうだね、どんなに美しくても、そういうことをするのは許されない」

「春名さんが今することに、私たちは何も文句がない」

一瞬にして、東田智子は矢面に立つこととなり、顔色が血の気を失い、「本当に…私がしたわけではありません」と言った

「このあま、弱いフリをするな」

その時、春名沙織は突然大声で怒鳴り、手を挙げて東田智子を叩き、

顔に鮮やかな手形が出来た。

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