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第 0335 話

翌日の昼食後、瀬川秋辞が京元に戻ると、石田先生に声を掛けられた。「秋音、お茶でもどうだい?会いたがっている人がいるんだ」

誰が会いたがっているのか、石田先生は具体的に言わなかったが、車が二環に入ったところで、彼女は大体察しがついた。

包間に入ると、やはり、普段はテレビや業界のインタビューでしか見ない顔があった。「田辺館長(たなべ かんちょう)」

国内トップの博物館の館長だ。

田辺館長は優しい顔で彼女を見つめ、「テレビで見るより実物の方が若くて美しいね。この業界に君のような才能ある若者がいることを見て、もう思い残すことはないよ」

瀬川秋辞:「田辺館長、過分なお言葉です。まだまだ学ぶべきことが多い
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