共有

第 0268 話

暗い赤色の冊子は、表紙の文字以外は結婚届とほとんど変わらない。

馴染みのある場所、似たような冊子、黙っている二人、すべてが結婚届を受け取った場面とほとんど同じだ。瀬川秋辞は少し茫然としていたが、薄野荊州は自分のを手に取って、見ずに立ち上がって帰った。

二人は一緒に市役所を出た。

瀬川秋辞は「お母さんのほうはあなたが言っとく?」と淡々と聞いた。

彼女は江雅子のがっかりした顔を見るに忍びなかった。

薄野荊州は横を向いて、ぼうっと彼女を見つめた後、無表情で言った。「もうお前の母じゃないから、勝手に呼ぶなよ」

瀬川秋辞「……」

村上さんはちょうど車を持ってきたが、薄野荊州は村上さんが降りてドアを開ける
ロックされたチャプター
この本をアプリで読み続ける

関連チャプター

最新チャプター

DMCA.com Protection Status