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第 0162 話

病室の中では、薄野荊州がベッドに寄りかかって誰かと電話をしていたが、声を聞いて顔を上げ、瀬川秋辞を見ると眉をひそめた。「上野忱晔からの電話か?」

瀬川秋辞は不機嫌に目を剥いた。「彼はあなたが死にそうだから、治療を放棄する同意書にサインして火葬に連れて行くように言ってたわ」

彼女は部屋に入り、ベッドの横の椅子に座った。

さっき医師のオフィスを通った時に聞いたところ、空腹時の飲酒が原因で胃痙攣を起こしたとのことだった。症状が緩和すれば退院できた。

薄野荊州は通話を終えた携帯をベッドサイドテーブルに投げた。「腹が減った」

瀬川秋辞は数秒間彼を見つめ、観念して携帯を取り出し、デリバリーを注文しようとし
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