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第 0161 話

上野忱晔は何階を伝えた後、電話を切った。瀬川秋辞は慌てて着替えをし、家を飛び出した。

救急処置には家族の署名が必要だった。このことは江雅子には言えないので、自分が行くしかなかった。車に乗り、ハンドルを握ったときまでも、彼女は完全に状況が飲み込めていなかった。

薄野荊州は酒の匂いがしたが、口論していたときは驚くほどに意識がはっきりしていた。体が不自由な様子も見られなかった。鈴木家から御汀別邸までの道は広くて車も少ないし、たとえ飲酒運転だったとしても、危篤通知書に署名が必要なほどの事故を起こすとは思えなかった!

瀬川秋辞は車を飛ばした。右折してUターンし、赤信号を回避しながら進んだ。ハンドルを回す
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