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第 0167 話

「瀬……瀬川さん、予約はありますか?予約がないと入れません」

瀬川秋辞は彼の言葉に耳を貸さず、薄野荊州のオフィスの場所は知っているので案内する必要はなかった。しかし、彼女の前に立ちはだかる手が彼女を苛立たせた。「田中栩は私のことを教えていないの?」

アシスタントは田中栩ほどの経験がなく、まだ冷静に対応できなかった。彼女の言葉を聞くと、彼は訥々と答えた。「言いました…でも、社長のオフィスには今お客様がいらっしゃいます。少し会客室でお待ちいただけますか」

瀬川秋辞は彼が急いで自分を追い払おうとしているのを見抜き、眉をひそめた。「女か?」

「……」

話している間に、二人は一進一退でドアのところまで来
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