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第 0016 話

その話に呆れた瀬川秋辞はしばらく反応していなかった。今こちらを見つめている江雅子をちらりと見て、振り返って病室を離れて行った。

「何を言ってるの?」彼を馬鹿にするなんて。

薄野荊州の声は低かった。「今どこに?」

「病院…」

お母さんは病気…とまだ口に出していないうちに、無礼に遮られた。「瀬川秋辞、たとえ言い訳をするにしても、納得させるものを見つけてね。この前は待ちきれないように離婚したいのに、ただ一晩だけでもう病気になっちゃったの?離婚は本気?」

薄野荊州の心に自分のイメージがあまり良くないと分かったが、自分の話を最後まで聞きたくなくて、むやみに非難するほど悪いとは本当に予想していなかった。

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