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第 0020 話

個室で、悦織は隣に座る秋辞を軽く突いた。「何見てるの?そんなにぼんやりして、呼んでも返事しないの」

秋辞は少し酔っていて、頭を振った。「荊州を見たような気がするが……」

「え?」悦織は信じられないように入口を見たが、そこは空っぽで人影はなかった。「あなた、飲みすぎて幻覚でも起こしてるでしょう?薄野が夜闌にいても、この階にはいないはずよ」

彼女は頭の上を指さしながら言った。「あの御曹司や資本家どもは、上の階から我々庶民を見下ろしているのよ!」

秋辞も見間違いだと思い、視線を戻して前に並ぶ様々なタイプの男たちに目を向けた。「この人たちは、あなたが呼んだの?」

「そうだよ、お酒を酌するためにね。
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