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第7話

この組織は一体何人を拉致しているのだろうか。

そう考えると、私は拳を固く握りしめた。

中川はわざとためらってみせたが、最後にはポケットから一束の札を取り出して男の手に押し込んだ。

男は口元を耳まで裂けるほどに笑みを浮かべ、中川の腕を引っ張って外へ連れて行こうとした。

その時、中川が私に目で合図を送った。

彼は男の手を振り払うと、立ちすくむ私を指差して言った。「彼女も一緒に連れて行く」

中川、あんた頭大丈夫か?

奴らは私が警察だと知っているんだぞ。こんな風に堂々と「彼女を連れて行く」なんて言ったら、怪しまれるに決まっているだろう?

私は口を開きかけ、文句を言おうとしたが、ぐっと飲み込んだ。

男は中川が指差す方向に視線を向け、私をじっくりと見定めた。彼の笑顔は硬直し、私がどうして中川を夢中にさせたのか疑っているようだった。

「お前、他の子にしたらどうだ?こいつはもう一度遊んだだろ......」

男が言い終わる前に、中川は素早く男のポケットに入れたお金を取り戻した。

数枚の赤い札が地面にこぼれ、黒いコンクリートの上でひどく目立って見えた。

男は無理に笑みを浮かべ、中川が振り返る瞬間、彼の手を掴んで言った。「分かった、連れて行っていい」

中川はお金を再び男に渡すと、得意げに私の方へ歩いてきた。彼は男に背を向けて、私に笑みを浮かべた。

その光景に私は唖然とした。これが「金の力で悪魔をも動かす」ってやつなのか?

中川は私の腕を掴んで外へ連れ出そうとしたが、男が私たちを呼び止めた。

振り返って見ると、次の瞬間、大きな麻袋が私の頭に被せられた。

空気を裂くような音が耳元で響き、私はぎくりとした。まさかまた殴られるのか?

これ以上殴られたら、人を救うどころか私自身が死んでしまう。

しかし、予想していた痛みは訪れなかった。私は大きく息を吐いた。

「どうせ袋を被せるんだから、叩くのはやめとけ。もし顔が腫れたら、俺はお断りだからな」

私は中川の服の裾を掴んで車に乗り込んだ。冷たい風が麻袋の中から衣服に吹き込み、身震いした。まるで家畜としてトラックに詰め込まれたような気分だ。

その時、中川が私の手を軽く引っ張った。

「どうだ、賢いだろ?もうすぐ敵の本拠地に連れて行かれるんだから」

私は目をつぶり、低い声で言った。「何が賢いよ。もし彼が俺たち
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