メイド・ミルクティー

女性はとても美しく笑っていて、目の輝きからは魅力が溢れている。僕の心拍は彼女の動きに合わせてますます速くなる。喉の奥から彼女の名前が無意識につぶやかれた。「瑤子さん……」彼女の名前を呼ぶと、目の前の女性は一瞬動揺した表情を見せたが、すぐに立ち直った。彼女は僕に媚びた目線を投げかけ、甘ったるく否定した。「店主、人違いじゃないですか？私はフェアリーです」そう言い終わると、彼女は甘えるように僕の腕に抱きついた。「ご主人様、自分で指名した妖精を求めていたのに、どうして他の女性のことを考えているのですか？あなたは悪い子ですね……」彼女の様子からすると、自分がかつてのA大のマドンナである瑤子であることを認めたくないようだ。この2年間、一体何が起こったのだろうか？彼女はどうしてこんな姿になったのか？僕はしばらく黙って、最後に彼女に気づかなかったふりをすることに決めた。「すみません、間違えました」言われると、瑤子は安心したように僕に目を細めた。「ご主人様、時間は限られていますよ。早くミルクティーセットを始めましょう」そう言い終わると、彼女は僕を引っ張って家に入った。入ってから、瑤子はまず僕の部屋を一通り見渡し、すぐに口を開いた。「ご主人様、ミルクティーはベッドで作りますか？それともリビング？」どういうこと？このミルクティーはまだ作りたてなのか？何も道具がないのに、どうするんだ？彼女はただ小さなバッグを持っていただけだった。僕が何も言わないのを見て、彼女は自分で選択してくれた。「ご注文いただいたのはストッキングセットですね、ソファでやりましょうか」ストッキングセット……この名前を聞いて変なことを考えずにはいられなかった。僕は無意識に瑤子の黒いストッキングを何度も見つめていた。まさか、ミルクティーをストッキングの中に入れて飲むのか？そんなのどうしたって無理だ……まだ僕が理解しようとしている間に、瑤子は直接ソファに向かって歩いていった。彼女はまるで自分の家のように、ハイヒールを脱ぐことなく直接ソファに横たわった。一つの手で頭を支えて僕を見て、もう一つの手はソファのクッションを軽く数回たたいた。「こっちに座って、何を待っているの？」この姿勢、まさに女主人そのものだ。逆

その夜以来、瑤子は再び姿を消した。真夜中の夢の中で、僕はよく貸別荘のソファに座り、目を閉じて、彼女が座っていた場所を撫でて、彼女がまだそこにいるふりをした。その日、僕は勇気を奮い立たせて彼女に告白しようと思い、たくさんの言葉を用意した。しかし、僕が口を開いたとたん、彼女は僕を拒絶した。彼女は瑤子であることを否定し、僕の告白に応じようとしなかった。僕はバカじゃないし、彼女が何を言いたいのか理解している。長年の片想いは、結局どこにも行けなかった。失落した日々が続いたが、僕はまだこの答えを受け入れることができず、剛に電話をかけるしかなかった。「剛、あのね、僕は長年瑤子が好きだったんだ。君が彼女を僕のところに来させることができたんだから、君は彼女の電話番号を知っているはずだ……」「彼女を忘れられない、僕は……」剛は僕に痛烈なことを言うだろうと思った。しかし、彼は長い間戸惑っていたが、最後には僕を説得した。「もういいよ、兄弟。彼女はもう以前のような可愛い子じゃないんだから」「あの日、君は誕生日にひとりぼっちだった。だから驚かせようと思ったんだ。君はいつも、もう一度彼女に会いたいと言っていた。今、君の願いは叶った。もう二度と彼女に会うな」彼がそう言ったのは、今の瑤子がすでにあるグレーな業界に足を踏み入れていることを僕に伝えたかっただけなのだ。その日、彼女がそのようなサービスを提供しているのを見て、実は僕は少し予想していた。普通のミルクティーのテイクアウトショップがそんなことをするわけがない。おそらく彼女は、僕よりも前に数え切れないほどの人々にそのようなサービスを提供してきたのだろう。その柔らかな唇は多くの男とキスをし、その繊細な手は多くの男に触れてきた。そう思うと、胸が苦しくなり、黙ってしまった。剛は僕のためにやってくれているけれど、自分の心の壁を越えられない。瑤子が好きでたまらない。もし一度も努力しなければ、後の人生でずっと後悔する気がする。僕は言葉を失った。「剛、もし僕をまだ兄弟と思ってくれるなら、教えてくれ。頼むから、お願いだよ」剛と僕はまったく違うクラスだったけれど、あんなにへりくだった態度で話したことはなかった。僕は、そんなことはお構いなしに床に顔を投げ出した。彼は

僕の言葉を聞いて、瑤子はしばらく固まっていた。もしかしたら、自分が既に見破られていることを知っているのかもしれない。今回は、彼女はもう自分が瑤子であることを否定しない。彼女は毛布を引っ張って体を覆い、顔が冷たくなった。「選択の余地があるとして、自分の体を売りたいと思う女性がいるでしょうか？」彼女はやはり自発的ではなかった！誰かが彼女を脅迫したのか？僕は焦って、彼女の肩を直接つかんだ。「誰かに強制されてるんですか？教えてくれませんか？僕はあなたを助けることができます」しかし、瑤子はどうしてもこの話題について話したくないようだ。「そんなこと聞かないで、別の話をしましょう」彼女は傷ついた小さなウサギのように、僕の肩に寄りかかっていた。「ありがとう、耳塚瑠偉」彼女の声は優しくて滑らかだった。「前回、あなたを見た時にすぐにわかったわ。学校の時、私たちは一緒にステージで賞を受けたのよ」実は瑤子は僕のことを知っていて、僕のことを認識していた。すると、瑤子は低く笑った。「私もまだ覚えているよ、あなたはその時本の虫だったのに、こんな外食も注文するなんて思ってもみなかった……」僕は彼女に言われて、顔が困った表情になり、一瞬彼女に質問を続けることを忘れてしまった。30分はあっという間に過ぎ、瑤子は時間になるとすぐに服を着始めた。「あなたはキャンセルしてもいいわ、結局私はこのセットを完成していないから」僕は頭を振り続けた。「いや、大丈夫。僕はキャンセルしない。ただ、お願いがひとつあるんだけど、いいかな？」「何かしら？」瑤子はブラジャーをつける手を止めた。おそらく僕が変態な要求をすると思ったのか、彼女は唇を噛んだ。「度が過ぎていなければ、私はあなたの要求に応じることができるわ」僕は頭をかいて笑った。「僕に……あなたの連絡先を教えてもらえますか？」この一度、瑤子は前とはまったく違う笑顔を浮かべていた。目に入る笑みには一切の風情の味わいがなかった。彼女は携帯電話を持って僕の方に歩いてきて、それから僕の上にまたがって僕の顔を持ち上げた。「瑠偉、あなたは以前のように可愛いわね」僕は彼女の突然の動作に驚いて、体全体が硬直してしまった。「僕……うーん……」話はまだ終わっていなかったが、瑤子の唇が僕にしっかりと密着した。このキスは、明らかに