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父の日-03

Penulis: あさの紅茶
last update Terakhir Diperbarui: 2024-12-15 23:00:00

「えーっと、ここにお父さんって書いてあるじゃん。滝本先生はお父さんじゃないでしょ」

「えー、あげたいあげたい。かいと、がんばってかいたもん。あげるもん。こんどのプールきょうしつにもってくの」

「いやいやいや、濡れちゃうし」

「わーたーすー」

「ダメだって」

「ヤダヤダ」

言い合いをしていると、だんだん海斗の顔が曇ってくる。

そしてついに不機嫌な顔でその場を動かなくなった。

「ちょっと海斗、帰るよ」

「やだっ」

「置いてくよ」

「やだっ」

「保育園に泊まる?」

「やだっ」

「もうっ、どうしたいのよっ」

「だってたきもとせんせーにわたしてくれないんでしょ」

「だって渡せないじゃない」

「やだっ」

テコでも動かない海斗と譲らない紗良。

だけど先に根負けしたのは紗良だった。

「あーもう、じゃあ今度聞いてみるから。それでいいでしょ?」

「……いい」

「……帰ろ?」

「かえる」

ようやく靴を履いてくれた海斗と手を繋ぎ、駐車場へと向かう。

(ああ、変なことを引き受けてしまった。寝たら忘れてくれないかしら)

一気に疲れてしまった紗良は、どんよりとした気分のまま家路についた。

杏介はいつものラーメン店でいつものように接客してくれた紗良を見て、首を傾げた。

上手く言い表せないのだが、何だか今日は紗良の様子がおかしい気がする。

妙にソワソワしているというか、落ち着かないというか。

そんな彼女は意を決したかのように口を開いた。

「あの、先生にお願いがあって……」

「はい、何でしょう」

「あ……、えっと……」

エプロンの裾をぎゅっと握りしめて、モゴモゴと口ごもる。

言いづらそうな雰囲気にここでは話しづらいことなのかと思い、杏介はひとつ提案した。

「今日は何時までですか

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  • 泡沫の恋は儚く揺れる〜愛した君がすべてだから〜   番外編③ シアワセノカタチ-10

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  • 泡沫の恋は儚く揺れる〜愛した君がすべてだから〜   番外編③ シアワセノカタチ-09

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